2023年もいよいよ年の瀬が迫ってまいりました。しゃんしゃん雪降る長崎から、編集工学研究所の社長・安藤昭子のコラム連載「連編記」の第四回をお届けします。
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「連編記」では毎回、一文字の漢字を設定。この一文字から連想される風景を、編集工学研究所と時々刻々の話題を重ねて編んでいきます。
今回の漢字は、「情」。情報の「情」であり、情感の「情」でもありますね。
白川静さんの『字統』によれば、「情」について『説文解字』には「人の陰気にして、欲有る者なり」とあるそうです。陰気で、欲有る者? なんだかネバネバした印象ですね。その後、性を陽として情を隠とする考え方が漢代に広まり、やがて性を体に、情をその用とする性情論というものにつながっていくのだそう。「情」という字の元々は、情感や「心」に近かったようですね。
「情報」という言葉は、ご存知のとおり、20世紀になってから「information」の訳語として定着したもの。一説では「事情を報告する」の略語だったそうです(三省堂『大辞林』)。
この言葉が定まったときから、情報は「心」の面影をポケットに潜ませてきたのかもしれない。今回の「連編記」を読みながら、配達人はそんなことに思いを馳せました。
前説はこのへんで。では、どうぞ。
(「連編記」配達人 山本春奈)
「情」 この複雑な世界を巡るもの
2023/12/21
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◆編集工学研究所からのお知らせ:■『情報の歴史21』を読む 第九弾 鈴木健編」開催決定。 12月27日(水) 19:30~22:00 『なめらかな社会とその敵』の著者であり、スマートニュース会長の鈴木健さんをお招きして、『情報の歴史21』を読む 第九弾 鈴木健編」を開催します。 知の最前線、情報技術の最前線、メディアの最前線で多岐に活動される鈴木さんは、どのように歴史と向き合い、「情報の歴史」を読み解いてこられたのか。 「『情報の歴史21』を読む 第九弾 鈴木健編」は、本楼会場およびオンライン配信での開催です。 ▼『情報の歴史21』を読む 第九弾 鈴木健編
2023年12月27日(水) 19:30~22:00 @編集工学研究所「本楼」/オンライン *申込締切日:2023年12月26日(火) 12:00まで *参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画あり(視聴期間:1カ月程度) ■鈴木健さん率いるニュースアプリ「スマニュー」の新サービス『SmartNews+』で、 「ほんのれん」の連載がスタート! いま気になる「旬な問い」を、編集工学で深掘りする。編集工学研究所と丸善雄松堂が提供している毎月更新の一畳ライブラリー「ほんのれん*」が、ニュースアプリ「スマートニュース」の新サービス『SmartNews+』に連載を持つことになりました。 「ほんのれん」では、毎月の「旬な問い」と、問いを考えるための選書や冊子「旬感ノート」を導入者の皆様にお届けしています。 『SmartNews+』での「ほんのれん」連載は、グラフィックを多様した「絵でも読める」記事。 ■”本で対話”する一畳ライブラリー「ほんのれん」体験会を開催。 1月23日(火)・24日(水) 一畳ライブラリー『ほんのれん』は、「問い」と「本」の力を借りて「対話」を生み出すコミュニケーション・ハブ装置です。オフィスの共用空間、地域のコミュニティスペース、大学のキャンパス等で活用が始まっています。本を介することで思いがけない視点が引き出される。この不思議な対話体験「旬会」を、ぜひ感じてみてください。1月に本楼/オンラインで体験会を実施します。 11月旬感ノート「いいチームって?」より。本を媒介に対話する「旬会」の3ステップ。 ▼「旬会」体験会 日程:
2024年1月23日(火)10時~11時30分 @編集工学研究所「本楼」開催 2024年1月24日(水)10時~11時30分 @オンライン開催 *[本楼]開催では「ほんのれん棚」の実機をご覧いただけます。定員は20名、先着順とさせていただきます。 *オンライン開催お申し込みの方にzoomリンクをお知らせいたします。 みなさまのご参加をお待ちしております。 編集工学研究所・広報チーム一同
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山本春奈
編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。
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