「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

第83回感門之盟「EDIT TIDE」が目前に迫るなか、イシス編集学校の本拠地「本楼」では3月14日(木)・15日(金)と2夜連続でリハーサルが行われた。夕方から司会者や出演者たちがぞくぞくと本楼にあらわれ、映像・音響・配信等のテクニカルや演出を手掛ける黒衣集団「黒膜衆」も本楼に集結。本番に向けてディレクションの大波小波が打ち寄せた。
▲黒膜衆の蒔田俊介は仕事帰りに本楼に直行。スーツ姿でカメラを構えた
イシス編集学校の教室でのコミュニケーションは「文字」が基本。だが感門之盟はルールが大きく変わる。語りあり、ビジュアルあり、顔の見える人あり。学林局・衣笠純子は、登壇者に対してオラルコミュニケーションだからこそのカマエを伝えた。
「本番までに何度も声に出して、それを録音して聞いてみてください。音だけを聞いて分かりますか、伝わりますか。役者のようにうまく話せとは言いません。でも伝えたいですよね。目の前にいる、あるいはzoomの向こうにいる学衆さんや仲間たちに届けたいですよね。なんども練習して、再編集してください」
リハーサルには校長松岡正剛も同席。その場その場で、すぐさま言葉をかけていく。
「『わざわざ◯◯から』『なんと!』など飾り立てる言葉を安易に使わない」
「初々しくなるな。分からないふりをしてインタビューをするな。もっとアッパーに持っていきなさい」
「順番どおりにやらないといけないと思い過ぎている。矛盾も含めてその場に持ち出すようなスタイルを試してほしい」
「みんながあなたに惹かれたい。だからこそあなたが惹かれているものも、この場で大いに見せていい」
「感門之盟というのは、みんなが『そこへさしかかる』んです。さしかかってきたところに、あなたが合わせていけばいい。たとえば向こうから赤ちゃんが歩いてくるとか、子どもが運動会で順番を待っているとか、そういうときはこちらから合わせていくでしょう。『なっていくほうに合わせていく』と、単なる”進行”ではなくなる。ひとりひとりと出会いながらやってください」
「(10周年記念感門之盟に感動したという話をうけて)その場で即興でやっているように見せたけれども、ものすごく準備をした。そして本番は準備したものをばあっと捨てた。自分がそこでハッとしたものを使う。そういう感受性を活かしてやったんだけれど、それだって相当な準備が必要なんです。緊張するのもぜんぜん構わない。だけど緊張や困惑も含めて『自分でつくろう』と思っていないとダメ。みんなつくらないんです。すごく横着。普段からもっとやり続けないと」
「フロアディレクターやカメラワークの視点で、『ここに立ってほしい』というのは確かにある。でもそれとは別に、与えられた小さな場所でどうするかは自分でつくる以外にない。そこで世界をつくりなさい」
▲リハの様子を見ながら、Day1の冒頭挨拶で話す内容をメモしていた校長。これだけ用意をして、当日は捨てる。
▲Day1の司会を務める山田細香は、校長からのディレクションを受けたあと書き留めたメモを必死に読み返していた
本番まで残された時間はあとわずか。それでもイシスの編集の波は止まらない。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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コメント
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2025-09-04
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因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。