「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

感門之盟のハイライトは教室名発表だ。お楽しみの一つに音楽がある。
88感門では、作曲家の上杉公志、ピアニストの瀬尾真喜子が音楽を担当した。この二人は多読アレゴリアの「音づれスコア」の運営も行なっている。
冠界式に持ち込んだ楽器は、キーボードにピアニカ、トイピアノ、そして巫女鈴。ソロ演奏あり、合奏あり、立ち位置を時に入れ替わりつつ、軽快に演奏する。息もぴったりだ。待ち時間は楽譜に目をやり、指を動かしてほぐす。用意を尽くし、本番に集中する。
ひとつとして同じフレーズはない。すべてテイストが違う。教室はひとつの世界で、その名はひとつひとつ異なるように、発表を待つ時に奏でられる音楽はすべて違う。軽快なリズムもあれば、優雅なメロディもあり、前衛的な音楽も奏でられる。それぞれ教室名のイメージを予感させる音が本楼に響く。
表現しようのない泡立つ感じのキーボードの音に、シャランと鈴が鳴った。音が消えて、教室名が発表される。中田ちひろ師範代の「シャボン泳法教室」だ。
行進曲風の和音を上杉が鳴らした。そこへ進行役の師範中村麻人が急にオカリナを吹いて演奏に加わった。瀬尾のトイピアノがかわいらしく参加する。なんとも手厚い三重奏は、本音かいな教室(木佐陽師範代)。
ものものしく弾き最後はたっぷりのビブラートを聞かせた杜本師範代のトージ瀬戸際教室。弾むように始まって、急に衝撃を落とされる中野恵介師範代「Bメロ瀑布教室」。ティンカーベルが飛び回るような可憐な音で瀬尾がトイピアノを弾く後藤師範代の「半ちらつもり教室」。
本楼が音と期待で満たされる。音が減衰して静けさが訪れた時、教室名が発表される。発表の場を演出するだけでなく、教室が名づけられたことを祝福する上杉と瀬尾の音の編集。ダイナミックな音も端正な音も、ロマンチックも力強さも思いのまま。すべてが別様であることが喜ばしく輝いた。
福澤美穂子
編集的先達:石井桃子。夢二の絵から出てきたような柳腰で、謎のメタファーとともにさらっと歯に衣着せぬ発言も言ってのける。常に初心の瑞々しさを失わない少女のような魅力をもち、チャイコフスキーのピアノにも編集にも一途に恋する求道者でもある。
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2025-09-04
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因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。