「編集ゲリラたれ」吉村林頭メッセージ【88感門】

2025/09/08(月)12:00 img
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本楼の躙り口近くに松岡正剛校長の提灯が下がっている。チェ・ゲバラを擬いたものだ。ゲリラは毎日が未知の連続。何が起こるか分からない。だからこそ「常に編集を起こしている」存在とも言える。松岡校長が20世紀最後に記した千夜千冊が『ゲバラ日記』だった。千夜にはゲバラの言葉が引用されている。

 

ゲリラの闘争はわれわれに人間最高のレベルに到達する機会を与えるだけでなく、真の人間になる機会も与えてくれる。

202夜 『ゲバラ日記』 エルネスト・チェ・ゲバラ

 

イシス編集学校名古屋支所「曼那組」小島伸吾組長が作ったもの

 

88回感門之盟も終わりに近づき、上階からも人が降りてきた。外は秋風が涼しいが、本楼は熱気で溢れている。提灯を手にした学林局林頭・吉村堅樹があらためて感門之盟のタイトルを振り返り、ネーミングに込めた思いを明かした。

 

遊撃ブックウェア

 

「【遊撃】というのはゲリラとも言える。私たちは“多読ゲリラ”であり“編集ゲリラ”。社会に深く沈潜しながらイシスの一人一人が編集ゲリラとして活躍してほしい」

 

感門タイトルはその日限りのイベント名ではない。特定の講座とだけ響き合うように名付けられたものでもない。イシス編集学校全体が門をくぐり、未生の模様を描くための「志」だ。漢字学者 白川静さんによれば志の字は足跡と心の組み合わせ。どちらの方向に歩くのか、心が目指す方向性をいう。志を同じくする同志とともに未知へ向かうための羅針盤。それが感門タイトルなのである。

 

 

編集ゲリラには「武器・楽器・食器も必要」と林頭は続けた。思考の武器、発想の楽器、表現の食器、どれも欠かせない。しかし突破・放伝したてではまだ十分にそれらを扱えない。ではどうする。

 

「私が常々言っていることがある。世界読書奥義伝[離]と師範代を両方経験して初めて【イシス編集学校の守】。ようやく編集学校が分かるスタートに立てる。[守]と[破]だけ、あるいは[花伝所]を出て分かったつもりになるのはあまりにもったいない。ぜひ次なる出遊へ、そしてその先の遊撃に向かってほしい。」

 

門をくぐり次なる門へ。迷いのまま進め。

 

 

  • 福井千裕

    編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。

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