「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

本楼の躙り口近くに松岡正剛校長の提灯が下がっている。チェ・ゲバラを擬いたものだ。ゲリラは毎日が未知の連続。何が起こるか分からない。だからこそ「常に編集を起こしている」存在とも言える。松岡校長が20世紀最後に記した千夜千冊が『ゲバラ日記』だった。千夜にはゲバラの言葉が引用されている。
ゲリラの闘争はわれわれに人間最高のレベルに到達する機会を与えるだけでなく、真の人間になる機会も与えてくれる。
88回感門之盟も終わりに近づき、上階からも人が降りてきた。外は秋風が涼しいが、本楼は熱気で溢れている。提灯を手にした学林局林頭・吉村堅樹があらためて感門之盟のタイトルを振り返り、ネーミングに込めた思いを明かした。
遊撃ブックウェア
「【遊撃】というのはゲリラとも言える。私たちは“多読ゲリラ”であり“編集ゲリラ”。社会に深く沈潜しながらイシスの一人一人が編集ゲリラとして活躍してほしい」
感門タイトルはその日限りのイベント名ではない。特定の講座とだけ響き合うように名付けられたものでもない。イシス編集学校全体が門をくぐり、未生の模様を描くための「志」だ。漢字学者 白川静さんによれば志の字は足跡と心の組み合わせ。どちらの方向に歩くのか、心が目指す方向性をいう。志を同じくする同志とともに未知へ向かうための羅針盤。それが感門タイトルなのである。
編集ゲリラには「武器・楽器・食器も必要」と林頭は続けた。思考の武器、発想の楽器、表現の食器、どれも欠かせない。しかし突破・放伝したてではまだ十分にそれらを扱えない。ではどうする。
「私が常々言っていることがある。世界読書奥義伝[離]と師範代を両方経験して初めて【イシス編集学校の守】。ようやく編集学校が分かるスタートに立てる。[守]と[破]だけ、あるいは[花伝所]を出て分かったつもりになるのはあまりにもったいない。ぜひ次なる出遊へ、そしてその先の遊撃に向かってほしい。」
門をくぐり次なる門へ。迷いのまま進め。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
さあ、お待たせしました!感門之盟のクライマックス「冠界式」のお時間です。新師範代たちの教室名がついに明かされます。発表の瞬間、どんなリアクションをするのか。どうぞお楽しみください!! 家村吏慧子 師範代 ハ […]
読書のキッカケは突然だ。ネットや書店で見て、誰かに薦められて、あるいは「師範選書」を知って。 イシス花伝所で2期以上指導を担った者へ贈られる師範選書。今季はこの一冊が贈られた。 『アナーキスト […]
松岡校長が残した「花伝」の書は126通り。生前、花伝所の師範に贈る「花伝扇」に書かれた数だ。相手を思いながらとった筆は、ひとつひとつ違う書を生んだ。「今後はたくさんの【花】と【伝】の文字を組み合せて、扇を渡していきなさい […]
本には体温がある。師範代に贈られる「先達文庫」は特にそうだ。 豪徳寺の本楼には54[破]師範代10名がずらり。4カ月にわたる不眠不休の稽古三昧を経て、ついにこの日が来た。[守]は1冊だが、[破]は2冊。選書 […]
必要なのは強さより「方法」 54[破]学匠メッセージ【88感門】
言いたいことがある。表現したいことがある。でもその方法に自信がない。だからイシスに方法を学びにきた。そういう入門者は多い。しかし編集稽古をしているうちに気づくことがある。そうではなかったと。 54[破]は1 […]
コメント
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2025-09-04
「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。