木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。
夜の深まりに、ひそやかに浮かぶ月。
その光は、松岡正剛が歩んだ「数寄三昧」の余韻を照らし出します。
音とことばに編まれた記憶を、今宵ふたたび呼び覚ますために――
玄月音夜會、第五夜をひらきます。
夏から秋へと風が渡るこの時節、迎えるは作曲家・キーボード奏者の井上鑑さん。
松岡と井上さんの縁は、1980年代後半、松岡が監修したNTTのCM制作にまでさかのぼります。
その後も舞台や企画を重ね、思えば「あの音」や「あの場面」も、ふたりの共作によって生まれたものでした。
井上さんはまた、寺尾聰「ルビーの指環」をはじめ、大滝詠一、福山雅治ら数多のアーティストとともに名曲を世に送り出し、ご自身でも17枚におよぶソロアルバムを紡いできた、多彩な響きの探求者です。
さらに「連歌 鳥の歌」を主宰し、連鎖することばと音の宇宙を切り拓いてきました。
第三夜で本條秀太郎さんが奏でた「鳥の歌」が、今回は井上鑑バージョンとして舞い降りる――その瞬間も待ち遠しい限りです。
そして、玄月音夜會を企画する太田香保が、本楼に足を運んだ方だけが味わえる「とっておき」を企画しているという噂も…!?
どのような井上鑑ワールドが展開するのか。
第五夜は、またとないひとときになるでしょう。
日時:10月22日(水) 19:30開演(18:30開場)
ゲスト:井上鑑さん(作曲家・キーボード奏者)
場所:イシス館本楼(編集工学研究所1F)
世田谷区赤堤2-15-3 小田急線「豪徳寺駅」徒歩6分
参加料金
本楼ライブ参加 16,000円(税別/飲食代込み)※各回30名限定
配信視聴参加 4,000円(税別)
*本楼参加・配信視聴のいずれも、期間限定でアーカイブ配信をご覧いただけます。
*毎回、まほろ堂蒼月(世田谷区宮坂)の和菓子と、白百合醸造(山梨・勝沼)のワイン&軽食をご用意しています。
お申し込み
井上 鑑 Inoue Akira /キーボード奏者・アレンジャー・プロデューサー

桐朋学園大学作曲科において三善晃氏に師事。大森昭男氏との出会いによりCM音楽作曲、スタジオワークを始め、寺尾聰「ルビーの指環」ほか、大滝詠一、福山雅治などとのコラボレーションにより膨大な数のヒット曲、話題作を生み出す。1981年シングル「Gravitations」、アルバム「予言者の夢」でソロデビュー。先鋭的サウンドとメッセージ性に満ちた言葉を駆使し通算20枚のソロアルバムを発表。2011年、書籍『僕の音、僕の庭』刊行。80年代後半、松岡正剛が監修したNTTのCM制作で井上氏が作曲を担当。以来、さまざまな仕事をともにしてきた。2013年より「連歌・鳥の歌」プロジェクトを主宰、松岡もカタルーニャ民謡「鳥の歌」にオリジナルの日本語歌詞をつくり参画。
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
田中優子を揺さぶった一冊――石牟礼道子『苦海浄土』を読む夕べ|酒上夕書斎 第五夕[10/28(火)16:30〜 YouTube LIVE]
2か月ぶりに帰ってくる「酒上夕書斎」。 海外出張を経て、田中優子学長の語りの熱も、さらに深まっている。 第五夕で取り上げるのは、石牟礼道子の名作『苦海浄土』。 工場廃水の水銀が引き起こした水俣病――文明の病 […]
玄月音夜會 第五夜|井上鑑 ― 本楼初のグランドピアノ。言葉の余白に音が降る
本楼にグランドピアノが入る――史上初の“事件”が起こる。 井上鑑が松岡正剛に捧ぐ、音と言葉のレクイエム。 「玄月音夜會」第五夜は、“言葉の船”が静かに音へと漕ぎ出す夜になる。 すでにお伝えしていた「玄月音夜會」に、ひとつ […]
ひとつの音が、夜の深みに沈んでいく。 その余韻を追いかけるように、もうひとつの声が寄り添う。 松岡正剛が愛した「数寄三昧」を偲び、縁ある音楽家を招いてひらく「玄月音夜會」。 第四夜の客人は、邦楽家・西松布咏さんです。 […]
幼な心とワインのマリアージュ ― 酒上夕書斎 第四夕|8月26日(火)16:30~ YouTube LIVE
本を開くたび、知らない景色がひらけていきます。 ときに旅のように遠く、ときに親しい声に導かれるように――。 読書はいつも、新しい道へと私たちを誘います。 「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい)」では、石川淳をひもとき、 […]
江戸の編集、蔦重の秘密──田中優子学長「ちえなみき」特別講演映像を公開
江戸の本屋が仕掛けた文化の渦が、いま開かれた。 7月26日、福井県敦賀市の「ちえなみき」で行われた田中優子学長の特別講演には、50名を超える人々が集まりました。 今年の大河ドラマ『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎を軸に、浮 […]
コメント
1~3件/3件
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。
2025-11-04
56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
2025-10-29
中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。