先人の見立て力にひれ伏すしかないと思って来た「墨流し」。戯れに、Chatさんに「蝶のスミナガシを別の見立てで改名するにはどんな名前がいいですか?」と尋ねてみて、瞬時に現れた名答に打ち拉がれております。

●「編集宣言」とは?
イシス編集学校の基本コース[守]では、毎期、第一線で活躍するゲストを招いた特別講義「編集宣言」を開催しています。これまで“現在”アーティストの宇川直宏さん、作家の佐藤優さん、社会学者の大澤真幸さんらが登壇してきました。[守]の受講者は無料で参加でき、一般の方も有料でオンライン聴講が可能です。また、過去のアーカイブも購入できます。
●津田一郎さん最新刊『脳から心が生まれる秘密』
今回の編集宣言に登壇するのは、カオス理論研究の第一人者であり、数理科学者の津田一郎さん。「カオス」と聞くと難しそうに思われがちですが、そんな方こそぜひ津田さんの新刊『脳から心が生まれる秘密』(幻冬舎新書)を手に取ってみてください。数式を使わず、平易な言葉で「カオス理論」を語りながら、そこから見える「脳」と「心」の不思議に迫ります。本書でも実はさりげなく何度か「編集」という言葉が登場します。
YOTUBE番組「ReHacQリベラルアーツ」でも本書について解説しているのこちらもぜひご覧ください。
●津田一郎と松岡正剛
津田さんはイシス編集学校校長・松岡正剛と長年の親友であり、松岡校長は初対面のときから「津田さんは天才だ」と確信していたそうです。両者の共著『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』(文春新書)では、カオス理論と編集工学を往復しながら、「複雑系」「脳と心」「物語」などをめぐるスリリングな対話が展開されています。『脳から心が生まれる秘密』の”次の一冊”としてもおすすめです。
●連載「津田一郎の『千夜千冊エディション』を謎る」
津田さんは現在、イシス編集学校のウェブメディア「遊刊エディスト」で「津田一郎の『千夜千冊エディション』を謎る」を連載中です。松岡正剛の文庫シリーズ『千夜千冊エディション』(角川ソフィア文庫)を毎回一冊取り上げ、読書を通して松岡思想を“なぞり”、時に“謎かけ”をしながら、自由な思索を展開する試みです。
最新回「『編集力』でアブダクションを謎る」では、編集工学の中核をなすキーワード「アブダクション(仮説形成)」を科学の視点から読み解いています。
津田一郎の『千夜千冊エディション』を謎る⑥ 『編集力』でアブダクションを謎る
●「守破離」と「インタースコア」をカオス理論で読み解く
今回の編集宣言では、イシス編集学校の最重要トピックである「守破離」と「インタースコア」を、津田さんがカオス理論の視点から読み解きます。「守破離」とは日本独自の方法であり、伝統的な稽古の型です。イシスのコース名[守][破][離]もここから取られています。詳しくは千夜千冊『守破離の思想』をご覧ください。
一方の「インタースコア」は英語で「Inter-Score」と綴り、実は「ISIS」の英字ネーミングにも潜んでいます。異なる「スコア」を重ね合わせ、新しい意味を再生したり創発することです。
この「守破離」と「インタースコア」がカオス理論と交わるとき、どんな光景が立ち上がるのでしょうか。どんな物語が紡がれるのでしょうか。
「津田一郎の編集宣言」概要
日時:2026年1月25日(日)14:00〜18:00
登壇者:津田一郎(数理科学者)
対象:どなたでも参加いただけます
参加方法:オンライン開催 *お申し込みの方にzoomURLをご案内します
参加費:一般 3,500円(税別)/[守]受講生 無償
お申込:一般の方の申込方法は後日お知らせします
お問合せ先:es_event@eel.co.jp
◇参考動画:
「編集」を学べば、情報の本質が見えてくる」津田一郎メッセージ
https://youtu.be/ojQ4yC86WbE
第56期 基本コース[守] 概要
稽古期間:2025年10月27日(月)~2026年2月8日(日)
受講料:税込110,000円
詳細・お申込みはこちら → イシス編集学校公式サイト https://es.isis.ne.jp/course/syu
津田一郎さん プロフィール
数理科学者。専門は応用数学、計算論的神経科学、複雑系科学。大阪大学理学部物理学科卒業。京都大学大学院理学研究科物理学第一専攻博士課程修了。理学博士。北海道大学大学院理学研究院数学部門教授などを経て、中部大学創発学術院院長・教授。「科学する精神」と「近代を超えること」を実践するために、最適の場として脳の解明を選んだ数学者。全日本スキー連盟公認クロスカントリースキー指導員・検定員。
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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2025-10-20
先人の見立て力にひれ伏すしかないと思って来た「墨流し」。戯れに、Chatさんに「蝶のスミナガシを別の見立てで改名するにはどんな名前がいいですか?」と尋ねてみて、瞬時に現れた名答に打ち拉がれております。
2025-10-15
『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。
2025-10-14
ホオズキカメムシにとってのホオズキは美味しいジュースが吸える楽園であり、ホオズキにとってのホオズキカメムシは血を横取りする敵対者。生きものたちは自他の実体など与り知らず、意味の世界で共鳴し続けている。