小田急線豪徳寺駅のプラットフォームから、地階にむかう。長いエスカレーターの先にはトイレがある。師範代は、髪やメイクの具合を鏡で確認する。
頭の中で想念が渦巻く。改札口を抜ける。山下商店街のベーカリーuneclef前の行列が目に入る。同期師範代と目が合う。言葉を交わしながら松原六丁目の交差点を左折する。
一歩一歩、間近に編集工学研究所の白い建物が迫るなか、多くの伝習座出席者は、なぜか左手のセブンイレブンに立ち寄り、飲料を購入する。本楼に行けば、コーヒーやお茶がふるまわれることを知っているのにもかかわらず。
伝習座が終わる。師範代はバラバラに編集工学研究所を後にする。終電間近なので、山下商店街を足早に通り過ぎる。豪徳寺駅の長いエスカレーターを上ると、プラットフォームで見知ったメンバーが談笑をしている。新宿行きの電車に乗り込む。ひっそりとした豪徳寺駅プラットフォームに想念が漂う。
井ノ上シーザー
編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。
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