いよいよ、2024年10月28日に第54期基本コース[守]が開講する。
[守]は、編集を学び始める人のための入門コースだ。思考や編集には型がある。基本コース[守]では、38種類の「思考の型」が15週間で学べる。10人程度の「学衆」と呼ばれる参加者で構成される教室に「師範代」がひとりつき、38のお題への回答と指南をやりとりする仕組みだ。
開講までわずか2週間となった10月14日、オンラインで学校説明会が開催された。今期最後の説明会ということで、東京都心で「夏日」が続く秋晴れの三連休の最後の日にもかかわらず、ZOOM画面には14名もの参加者の意欲的な顔が並んだ。学校説明会では、[守]基本コースで学ぶお題の一部を体験することができる。この日は場所や建物を使った「らしさ」で自己紹介をするという「お題」から、それは始まった。
◆「見立て」た「らしさ」で自己紹介
ナビゲーターはイシス花伝所、つまり編集コーチ養成所の所長田中晶子。むろん、指南はピカイチ!早速、お題が出されると、参加者はみな頭を巡らせ始めた。
「お題」
ワタシは[ ① ]です。そのココロは[ ② ]です。
ある参加者は、①を「神田か文京区あたりのワインバー」とした上で、②を六本木などの最先端ではない場で、古きに新しさを取り入れて数寄に囲まれる様だと、そのココロとした。「神田か文京区あたり」と場を限ってみることでイメージが膨らみますね、とナビゲーターの田中も「らしさ」の取り出しの上手さに舌を巻いた。
また、①に「無人島の砂浜」を入れて、②を「何を書いても、何度書いても消される」とした参加者には、イシスで何度も書いて見せるというモードに転換するとおもしろいかもしれない、と田中は編集の別様の可能性を示唆した。
「見立て」の方法である「らしさ」を探すだけでも、誰もが持つ編集の力は輝き出すのだ。
◆突然ですが、ゲームです!
そんな合図で次に始まったのは「地と図」という「思考の型」を使った編集ゲームだった。りんごの絵から思い浮かぶ言葉をいくつでも自由に挙げてみようというもの。参加者からチャットにどんどんと回答が届く。スピード感がよかった。
- ほっぺ
- デスノート
- 歯茎
- ヨシタケシンスケ
- 奇跡のリンゴの木村さん
- ゴリラ
- 万有引力
- 初恋
- 病院
- スカスカ
- 椎名林檎
- マック
- 医者いらず
- リンゴ・スター
- 落ちる
- 蜜は実は甘くない
- ふぞろいの林檎たち
- 風邪をひいた時にお母が擂ってくれたリンゴジュース
・・・
ゲームをしながら、それぞれの「りんご」という分母の下に置く「地」が違うことにみんなが気づいていった。思考は、こんな編集の「型」を使うことでもっと自由になれる。違ったものが見えることを活かすこともできる。他者と相互編集的にやっていける。そんな、アプリケーションを追加するのではなく、OSを新たにするような学びの場への扉がここにある。
参加者からの「編集は、どのように仕事や生活にいきるのでしょうか」という最後の質問に、師範代を育ててきた田中はこう応じた。
編集の型を学ぶと情報のインプットとアウトプットが高速になる。読み書きも楽しくなり、書きたい、書ける、という気持ちになれる。また、教室の中で交わされる師範代と学衆の間の滑らかなコミュニケーションのスタイルは、仕事や生活に応用できて、チームビルディングに役立つとの声も聞く、と。
「お題に対して仲間からたくさんのアイディアが出てきて、それ自体も学びになった」と、勉強会の終了と同時に申し込みを済ませた参加者があった。編集は遊びから生まれる。始めれば誰をも夢中にさせてしまうのが編集稽古なのだ。
◆第54期[守]師範代は準備万端
「創守座」で集った、54[守]を率いるのは20名の師範代だ。それぞれの教室名は第84回感門之盟の「冠界式」で発表されている。どの名前も編集的だ。そう、イシスの編集術は教室名から始まる。
教室名から始まる編集も楽しもう――54[守]教室名発表【84感門】
師範代と指導陣は総勢45名。創守座を経て教室の扉を開け、「学衆」と交わす日を待っている。
万が一、説明会に参加しそびれた、という方々は、【林頭吉村の編集解説】でも概要が掴めるので、ぜひご視聴を。
守破離まるわかり ー イシス編集学校コースマップ 林頭吉村の編集解説Vol.06
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定員に達し次第申込は締め切られる。
申し込みはこちらから。
◆イシス編集学校 第54期[守]基本コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
安田晶子
編集的先達:バージニア・ウルフ。会計コンサルタントでありながら、42.195教室の師範代というマラソンランナー。ワーキングマザーとして2人の男子を育てあげ、10分で弁当、30分でフルコースをつくれる特技を持つ。タイに4年滞在中、途上国支援を通じて辿り着いた「日本のジェンダー課題」は人生のテーマ。
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