「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

黒のセットアップの胸元を軽く直していた八田英子律師。司会に呼ばれて壇上に上がるその瞬間、表情にぱっと光が射した。「門」をまたいだのかもしれない。
今日、9月6日は「第88回感門之盟/遊撃ブックウェア」開催日。冒頭のメッセージで八田律師は、「感門之盟」の「門」の機能は“内と外を分けること”だと話し始めた。門の内側は教室や道場といった安全な場所であり、突破生や放伝生はその外に出て行くこと、不安も危険も、そしてもちろん魅力もある外の世界へ、方法を携えて歩み出すことが求められているのだ。
メイントピックは、中国の書家、王羲之の「曲水の宴」。酒を嗜み、即興でつくった序文「蘭亭序(らんていじょ)」の出来が素晴らしく、その後何度書き直してもこれを超えられなかった故事を引き、卒意の何たるかを示した。
「今日はお酒は出ないけれど、即興で蘭亭序に残したくなるような言葉が交わされるかもしれません」と律師。この感門の日にこの本楼で、用意も意図もしていなかった言葉がもたらす「禅機」をしっかり掴んでほしいと語った。禅機とは、悟りのきっかけとなる鋭い言葉や動作のことだ。
最後に律師は、晩年の校長が「イシスは10年大丈夫だ」と言っていたと明かした。普段は「3年先ぐらいまでしか考えない」と言っていた校長からすれば相当に長い期間で、八田律師はこの言葉に、指導陣への深い信頼を感じたという。
「では、司会の澁谷さんに戻します」
その言葉を合図に律師は再び門をくぐり、優秀な学林局スタッフの顔に戻った。
(写真/福井千裕)
今井早智
編集的先達:フェデリコ・フェリーニ。
職もない、ユニークな経歴もない、熱く語れることもないとは本人の弁だが、その隙だらけの抜け作な感じは人をついつい懐かせる。現役時代はライターで、今も人の話を聞くのが好き。
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