「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

準備も根本から本気で本格的に。それがイシス流である。
感門本番まで残すところあと2日、これまで個々に用意を重ねてきた[破][花]の指導陣が、いよいよ本楼に集ってリハーサルを行った。音響、立ち位置、登降壇順、マイク渡しに座移動。黒膜衆の柱として全体指揮を担う衣笠純子景司のディレクションのもと、突破式・放伝式の大局から細部のテクニカルに至るまで、感門之盟のルル3条がひとつひとつ確認されていく。
学匠や番匠や師範など、つぎつぎ講座の面々が揃う中、18時ごろ豪徳寺に到着した司会の渋谷菜穂子も、やってきて早々パソコンをひらき、開始直前ギリギリまで会場の片隅で台本を推敲。そして19時、「それではこれからリハーサルを開始しまーす!」と衣笠の明朗な声が本楼いっぱいに鳴り響き、リハスタート。司会台の前に立った渋谷も、当日の流れを順々にトレースしていく。
いかなる編集行為においても頭の中でのイメージとそれを実践してみたときのマネージのあいだにズレが出てくるのは常であり、ズレの改変・修正・推敲余地にこそエディットの面白みも苦しみも宿るわけだが、そのことは司会ロールについても例外ではない。書いては消してまた書いて、事前に何度もシミュレーションして持ち込んだ台本も、いざマイク片手に話してみると、思っていたのと異なる点があれこれ浮上してくる。だからこそいちどはプログラム全体を通しでリハーサルする。マイクを持ってしゃべってはペンに持ち替え衣笠のアドバイスをメモし、台本への朱入れを踏まえてふたたびマイクを持ってしゃべりだす。トライ&エラーの高速反復。各コーナーさまざまな人が本棚劇場を行き交って、最後のコーナーまで通し終えたときには、もう23時を回っていた。
かくして再編集を重ねた結果、進行のテキストイメージとリアルマネージが渋谷の中ですり合わされてきた。司会の骨格も掴めてきた。だがしかしまだ一点、渋谷には迷っていることがあった。
「さだまさしネタ、若い学衆のみなさんに伝わるかな……」
渋谷の依り代さだまさし。略図的原型の伝達を阻む「年齢層」という壁を乗り越えて、いかにまさしを編集エンジンにしていくか。感門当日、きっと明示的にも暗示的にも滲み出してくるであろう渋谷菜穂子のさだまさし味を、参加者はゆめゆめ見逃してはならない。
バニー新井
編集的先達:橋本治。通称エディットバニー.ウサギ科.体長180cm程度. 大学生時に入門後、師範代を経てキュートな編集ウサギに成長。少し首を曲げる仕草に人気がある。その後、高校教員をする傍ら、[破]に携わりバニー師範と呼ばれる。いま現在は、イシスの川向う「シン・お笑い大惨寺」、講座師範連携ラウンジ「ISIScore」、Newアレゴリア「ほんのれんクラブ」などなどを行き来する日々。
感門準備の醍醐味は、手を動かし口も動かすことにあり。 8月最後の土日、[守][破][花]指導陣の有志(感門団)で豪徳寺学林堂に集まって、一週間後に控えた感門之盟の下準備に入った。ペットボトル300本に感 […]
「守をちゃんと復習し終えるまで、破へ進むのはやめておこう……」 卒門後、そのように考える慎重な守学衆が毎期何人かいます。けれども、コップに始まりカラオケへ至った学びのプロセスによくよく照らしてみれば、「立 […]
◆感門タイトルは「遊撃ブックウェア」 読書はなかなか流行らない。本から人が離れてゆく。読書はもはや、ごく一部の好事家による非効率でマニアックな趣味にすぎないのだろうか? 読書文化の退行は今 […]
モノに見立てて肖って●54[破]評匠 セイゴオ知文術レクチャー
本を読んで、文を書く。そのとき人は、いったい何について書いているのだろうか。そこでは何が出入りしているだろうか。 日々の暮らしの中で何気なくおこなうこともできてしまう読書行為というものをひとつの巨大な“ […]
[破]は、松岡正剛の仕事術を“お題”として取り出したとっておきの講座である。だから回答と指南の応酬も一筋縄にはいかない。しかしそのぶん、[破]の師範代を経験すれば、どんなことにも編集的に立ち向かえるように […]
コメント
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2025-09-04
「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。