お稲荷さんの企み・地球星人の微笑【89感門】

2025/09/21(日)21:00 img
img JUSTedit

 三度見した。アタマにつけた狐のお面と、Tシャツの胸部についた三日月と3つの星と、ジャケットに居ついた白鳥を、である。つきものがおちた、55[守]つきもの三昧教室、畑本浩伸師範代の衣装の秘密を明かしたい。

 

 55[守]の期間中、畑本師範代は京都の伏見稲荷大社を “二度” 訪れていた。講座が開講する5月と卒門間際のことである。お題三昧の日々と学衆の卒門を祈願するべく、東京からはるばる足を運んだ。5度目の師範代だが、初心の花は枯れない。

 

地球星人としての編集宣言でスピーチを締め括った

 

 師範代スピーチで壇上に上がる畑本師範代。ニヤッと上がる口角と、頭に乗せた狐のお面がチャームだ。衣装をよく見ると、ジャケットには鶴のような刺繍の鳥が3羽ほど、左胸の辺りを舞っていた。

 

左胸のアップ

 

 711年の2月、”お稲荷様” が初めて『山城国風土記』に登場する。秦伊呂具がお餅で作った的に弓を当てると、そこに宿っていた神霊がお餅を白鳥に変化させた。白鳥は近くの伊奈利山に飛び、降り立った所に稲が実ったという。

 

 狐は企みのエディターだ。畑本師範代曰く「衣装には花鳥風月を星座のように散りばめた」。38番のお題を経た学衆は、お餅から稲穂へと変化した。彼は「もちと白鳥の伝説」という物語を借りて、学衆を55[破]への大飛行に送り出したのだ。

 

 本日(9/21)、つきもの三昧教室は角川武蔵野ミュージアムで汁講を開催した。感門之盟の次の日に、リアル汁講をくっつけた。これぞ、三昧だ。聞けば、予備のTシャツが一枚余っているらしい。畑本師範代のカバンの中で、うずうずしていたはずだ

 

 遊撃せよ、さらば与えられん!

 

本楼躙り口側の灯籠に「三昧線」

 

アイキャッチ/畑本浩伸
文/北川周哉

 

 

 ちなみに、10月6日(月)から「物語講座」が始まる。畑本師範代は「地球星人服従 文叢」の師範代となる。3期連続6度目、の師範代登板である。[破]講座「物語編集術」の先に、「物語講座」が待っている。

 

Info


[遊]技法研鑽コース 「物語講座」第18綴
https://es.isis.ne.jp/course/yu-narrative

 

■期間:2025年10月6日(月)~2026年2月1日(日)

 ライブ稽古「蒐譚場」2025年12月13日(土)
 編集工学研究所(本楼)

 

■資格:[破]応用コース修了者(突破)以上

 

■プログラム:窯変三譚/トリガー・クエスト/編伝1910

 

■お申込み ※再受講割引あり。
https://shop.eel.co.jp/products/es_yu_mono_018

  • イシス編集学校 [破]チーム

    編集学校の背骨である[破]を担う。イメージを具現化する「校長の仕事術」を伝えるべく、エディトリアルに語り、書き、描き、交わしあう学匠、番匠、評匠、師範、師範代のチーム。

  • 本を求めて、人に出会えば【89感門】

    本を買いに行ったのに、持ち帰ったのはワンピース。風が吹けば、三味線だ。人や本だけでなく、服にも思いがけない出会いがある。ハレやかな本楼空間に包まれる感門之盟で、阿曽祐子番匠の身体にひらめく一着を紹介しよう。   […]

  • P-1グランプリからの返り道 スウィングバイの先へ【88感門】

    P-1グランプリへの旅立ち    扇子あおげど熱帯夜、54[破]は高気圧。突破最終日である8月3日の早朝、既に全お題を完遂した学衆から、プランニング編集術の再回答が届いた。<振り返り>に添えられたその一文は、読 […]

  • 萌えよ!ヴィジュアル・アナロジー 53[破]五十三次道連れアート展レポート

    自分史をビジュアル化し、一枚のグラフィック・アートにする――クロニクル編集術の「全然アートなわたし」は、突破要件に入らぬ番外稽古ながら、[破]の講座で学んだ方法を味わい尽くせる格別なお題だ。感門之盟を一週間後に控えた3 […]

  • 『校長本』という世界の扉〜53破・合同汁講〜

    12月21日午後、本楼のブビンガの上にはたくさんの本が所狭しと並んでいた。大きさも装丁もさまざま。全て、松岡正剛が手がけた本だ。中古本の市場でもなかなか見つからない「レア本」も含まれている。   選書したのは[ […]

  • 52[破]、“ホンモノの物語”を生む関心領域

    52破別院に、第2回アリスとテレス賞の概要が発表された。対象となるお題は〈物語編集術〉である。細かなルールを駆使して観客の類推をねらったイメージへと導く映画の方法に肖り、テキストベースの新たな物語を書く、たいへんクリエ […]