【Playlist】未知の奥へ(林愛)

2022/01/25(火)21:00
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 みちのく、道の、未知の奥

 ゆけど遠のく、言の奥

 分け入りてただ、奥へと歩く

 

【Playlist】未知の奥に分け入る10本 林愛選

 

一、【三冊筋プレス】道に迷いたい 物に入りたい(米川青馬)

 

二、【輪読座】21世紀にもつながる柳田國男の方法とは?(「柳田國男を読む」第一輪)

三、プラン1:東北ミュージアム・エミシの暮らす千年の森【46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix】

四、多読ほんほん2011 冊師◎景山卓也

五、康代、狼煙を上げる―『3.11を読む』響読会レポート

六、夏草やガングロどもが夢の跡 DUSTYなLADYの怪進撃【ツアー@東北】

七、イドバタイムズ issue.3 そのコミュニケーション、生きてますか?―「ことば未満ラボ」レポート

八、未知の記憶をよびおこす“村” ――――建築家・樋口裕康さんと対談イベント

九、【AIDA】KW File.06「半信半疑」

 

十、【多読ジム】序・破・Qで分かる 千夜リレー伴読★1773夜『神秘思想』

 

一、おくのほそ道で未知に入る

二、柳田が原郷をみたみちのく

三、未知の奥で待っているまつろわぬ者たち

四、未知の歴史に潜って母国をさがす

五、22年6月にようやく住民の帰還がはじまる福島県双葉町
  20年11月の守学匠の取材報告
  地続きの未知に思いを致す

六、ことばにじゃれつく未知奥☆

七、言葉未満という未知の過去

八、アンノウン・メモリーを呼び起こすもの

九、“あのお方”がやってくる

十、未知は遠く瞬く神秘

 

  • 林 愛

    編集的先達:山田詠美。日本語教師として香港に滞在経験もあるエディストライター。いまは主婦として、1歳の娘を編集工学的に観察することが日課になっている。千離衆、未知奥連所属。

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コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025

大沼友紀

2025-06-17

●記事の最後にコメントをすることは、尾学かもしれない。
●尻尾を持ったボードゲームコンポーネント(用具)といえば「表か裏か(ヘッズ・アンド・テイルズ:Heads And Tails)」を賭けるコイン投げ。
●自然に落ちている木の葉や実など放って、表裏2面の出方を決める。コイン投げのルーツてあり、サイコロのルーツでもある。
●古代ローマ時代、表がポンペイウス大王の横顔、裏が船のコインを用いていたことから「船か頭か(navia aut caput)」と呼ばれていた。……これ、Heads And Sailsでもいい?
●サイコロと船の関係は日本にもある。江戸時代に海運のお守りとして、造成した船の帆柱の下に船玉――サイコロを納めていた。
●すこしでも顕冥になるよう、尾学まがいのコメント初公開(航海)とまいります。お見知りおきを。
写真引用:
https://en.wikipedia.org/wiki/Coin_flipping#/media/File:Pompey_by_Nasidius.jpg