【多読アレゴリア:多読ジムClassic】選ぶ・読む・書く・観る・遊ぶ

2025/02/26(水)19:00
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 Season20を持って区切りを迎えた「多読ジム」を引き継いだ「多読ジムClassic(通称:タドクラ)」では、日々のトレーニングが続いている。お題の至るところでヴァージョンアップは行われるものの、「ブッククエスト」「エディション読み」「三冊筋プレス」の不変の三つのプログラムを通じて、松岡正剛氏の多読術・読相術を試すのだ。

 

 どのプログラムも楽しい。「ブッククエスト」では、自分の本棚を数寄のままに作成することができ、「エディション読み」では、全員で千夜千冊エディションを共読することができる。しかしながら、特に挑戦していただきたいのはプログラムの最後を締めくくる「三冊筋プレス」である。

 

 ここでは、まず一冊の選書をキーブックとして選び、さらに二冊のサブブックを加え、それらの関係性を炙り出しながら、一気に知文を綴りあげる。

 無論、知文を紡ぎ出すには相応の準備が必要だ。「ブッククエスト」で培った目次読書術や、「エディション読み」で鍛錬したマーキング術を駆使して、キーブックとサブブックをせっせと読み込む。こうして集めた情報で下拵えしつつ、並走する読衆のトレーニングの様子を覗き込む。そして、密かに「なるほど」と呟きながら、冊師のひとことを頼りにネリネリを進めれば、誰でも愛おしい知文を生み出せるだろう。セイゴウ知文術を擬いた、香しい知文が目の前に現れるのだ。

 

 新たな試みにも挑戦する。「ブッククエスト」では、12冊または39冊からなる情報の束のメディア化に奮いたち、「エディション読み」では、AIを駆使してリコメンド文をPOPに変奏させる。読み書くことが醍醐味だけれども、観るだけでも楽しめる空間である。「多読アレゴリア」最大級のスタジオにて、魅惑の共読世界をともに逍遥して欲しい。

 

 真剣な遊びのもとに生まれた、千夜千冊エディションのPOP集を紹介しマス。フレームには、番期同門祭で限定復活した松丸本舗の野嶋真帆評匠デザインのものを使わせていただいています。

 

 

市川鉄彦さん

 

 

クロモジさん

 

津村直さん

 

重廣竜之さん

 

ハタンさん

 

 

文:畑勝之

アイキャッチ画像:多読ジムClassic×山内貴暉


多読アレゴリア2025春「多読ジムClassic」
【定員】100名
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025haru
【開講期間】2025年3月3日(月)~2025年5月25日(日)
【申込締切】2025年3月7日(金)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)


 

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。