道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
49[守]定常コースがスタートして3日目の昼。
まだ自己紹介も始まっていない脱皮ザリガニ教室(古澤正三師範代)の勧学会に、一人の学衆が登場した。「昨日面白い体験をしたので独り言で書いときます」 その体験とは、皿洗いという日常のなかに「編集」を見つけた、ということであった。
「これって編集?」って感じがして、笑いながら楽しく皿洗いをしたのです。
皿を洗う順番、水切りに置く順番、そして食器棚にしまう順番を考えているうちに、そのことに気づいたという。
別の学衆も、「私も似たような体験をしました」と続く。ラタンのランチョンマットを干すのに、ちょうどいい洗濯ばさみを見つけられず、キッチンタオル用のフックで代用したときに、「これは編集なのでは」と感じた、と綴った。学衆たちの、既知から未知への旅立ちは上々だ。
編集で世界は変わる。そして身近な光景にも、別様の可能性があることを感じられるようになるのが[守]なのだ。学衆は、早くも変わり始めている。校長の松岡正剛が言うように「変化することが、この世でいちばん不変なこと」。編集ザリガニたちは、何回脱皮するだろうか。
写真/古澤正三
嶋本昌子
編集的先達:ハービー・ハンコック。全身ラテンは伊達じゃない。毎週フラメンコのタブラオで踊っていた情熱のお侠師範。流暢な英語を操るバイリンガルだが、気持ちが昂るとナチュラルに関西弁が出る。丸の内朝大学以来の校長のお髭ファン。
2022年春、イシスコアを塗り替えた学衆がいた。48[守]板付Bダッシュ教室、宮島広司氏である。 これまでの「最年長学衆78歳」というスコアをなんと大幅に更新し、米寿での卒門を果たした。慣れないパソコン操作に、初めて […]
「ごみしゅーしゅーしゃでーす!ごみしゅーしゅーしゃでーす!」 本楼中に大きな声が響き渡る。 教室フライヤーのプレゼン中、福井千裕師範代が、椅子を車に、積み木をごみに見立てて、ゴミ収集車ごっこをして遊ぶ3 […]
48[守]の19教室では、113名の学衆が見事、門を出た。4か月の間に、どんな教室体験があったのか。師範によるインタビューによって、学衆の「声」をお届けする学衆インタビューの第4回目、「仲間がいたから」編をお送りする。 […]
コメント
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2025-11-25
道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)