49[守]定常コースがスタートして3日目の昼。
まだ自己紹介も始まっていない脱皮ザリガニ教室(古澤正三師範代)の勧学会に、一人の学衆が登場した。「昨日面白い体験をしたので独り言で書いときます」 その体験とは、皿洗いという日常のなかに「編集」を見つけた、ということであった。
「これって編集?」って感じがして、笑いながら楽しく皿洗いをしたのです。
皿を洗う順番、水切りに置く順番、そして食器棚にしまう順番を考えているうちに、そのことに気づいたという。
別の学衆も、「私も似たような体験をしました」と続く。ラタンのランチョンマットを干すのに、ちょうどいい洗濯ばさみを見つけられず、キッチンタオル用のフックで代用したときに、「これは編集なのでは」と感じた、と綴った。学衆たちの、既知から未知への旅立ちは上々だ。
編集で世界は変わる。そして身近な光景にも、別様の可能性があることを感じられるようになるのが[守]なのだ。学衆は、早くも変わり始めている。校長の松岡正剛が言うように「変化することが、この世でいちばん不変なこと」。編集ザリガニたちは、何回脱皮するだろうか。
写真/古澤正三
嶋本昌子
編集的先達:ハービー・ハンコック。全身ラテンは伊達じゃない。毎週フラメンコのタブラオで踊っていた情熱のお侠師範。流暢な英語を操るバイリンガルだが、気持ちが昂るとナチュラルに関西弁が出る。丸の内朝大学以来の校長のお髭ファン。
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