津田一郎の編集宣言◆イシス編集学校[守]特別講義 カオス理論で読み解く「守破離」と「インタースコア」

2025/10/23(木)08:00 img
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●「編集宣言」とは?
イシス編集学校の基本コース[守]では、毎期、第一線で活躍するゲストを招いた特別講義「編集宣言」を開催しています。これまで“現在”アーティストの宇川直宏さん、作家の佐藤優さん、社会学者の大澤真幸さんらが登壇してきました。[守]の受講者は無料で参加でき、一般の方も有料でオンライン聴講が可能です。また、過去のアーカイブも購入できます。

 

●津田一郎さん最新刊『脳から心が生まれる秘密』
今回の編集宣言に登壇するのは、カオス理論研究の第一人者であり、数理科学者の津田一郎さん。「カオス」と聞くと難しそうに思われがちですが、そんな方こそぜひ津田さんの新刊『脳から心が生まれる秘密』(幻冬舎新書)を手に取ってみてください。数式を使わず、平易な言葉で「カオス理論」を語りながら、そこから見える「脳」と「心」の不思議に迫ります。本書でも実はさりげなく何度か「編集」という言葉が登場します。

YOTUBE番組「ReHacQリベラルアーツ」でも本書について解説しているのこちらもぜひご覧ください

 

●津田一郎と松岡正剛
津田さんはイシス編集学校校長・松岡正剛と長年の親友であり、松岡校長は初対面のときから「津田さんは天才だ」と確信していたそうです。両者の共著『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』(文春新書)では、カオス理論と編集工学を往復しながら、「複雑系」「脳と心」「物語」などをめぐるスリリングな対話が展開されています。『脳から心が生まれる秘密』の”次の一冊”としてもおすすめです。

 

●連載「津田一郎の『千夜千冊エディション』を謎る」
津田さんは現在、イシス編集学校のウェブメディア「遊刊エディスト」で「津田一郎の『千夜千冊エディション』を謎る」を連載中です。松岡正剛の文庫シリーズ『千夜千冊エディション』(角川ソフィア文庫)を毎回一冊取り上げ、読書を通して松岡思想を“なぞり”、時に“謎かけ”をしながら、自由な思索を展開する試みです。
最新回「『編集力』でアブダクションを謎る」では、編集工学の中核をなすキーワード「アブダクション(仮説形成)」を科学の視点から読み解いています。

津田一郎の『千夜千冊エディション』を謎る⑥ 『編集力』でアブダクションを謎る

 

●「守破離」と「インタースコア」をカオス理論で読み解く
今回の編集宣言では、イシス編集学校の最重要トピックである「守破離」と「インタースコア」を、津田さんがカオス理論の視点から読み解きます。「守破離」とは日本独自の方法であり、伝統的な稽古の型です。イシスのコース名[守][破][離]もここから取られています。詳しくは千夜千冊『守破離の思想』をご覧ください。
一方の「インタースコア」は英語で「Inter-Score」と綴り、実は「ISIS」の英字ネーミングにも潜んでいます。異なる「スコア」を重ね合わせ、新しい意味を再生したり創発することです。
この「守破離」と「インタースコア」がカオス理論と交わるとき、どんな光景が立ち上がるのでしょうか。どんな物語が紡がれるのでしょうか。

 

 

「津田一郎の編集宣言」概要


日時:2026年1月25日(日)14:00〜18:00

登壇者:津田一郎(数理科学者)

対象:どなたでも参加いただけます

参加方法:オンライン開催 *お申し込みの方にzoomURLをご案内します

参加費:一般 3,500円(税別)/[守]受講生 無償

お問合せ先:es_event@eel.co.jp


◇参考動画:
「編集」を学べば、情報の本質が見えてくる」津田一郎メッセージ
https://youtu.be/ojQ4yC86WbE

 


第56期 基本コース[守] 概要


稽古期間:2025年10月27日(月)~2026年2月8日(日)

受講料:税込110,000円

詳細・お申込みはこちら → イシス編集学校公式サイト https://es.isis.ne.jp/course/syu

 

 

津田一郎さん プロフィール


数理科学者。専門は応用数学、計算論的神経科学、複雑系科学。大阪大学理学部物理学科卒業。京都大学大学院理学研究科物理学第一専攻博士課程修了。理学博士。北海道大学大学院理学研究院数学部門教授などを経て、中部大学創発学術院院長・教授。「科学する精神」と「近代を超えること」を実践するために、最適の場として脳の解明を選んだ数学者。全日本スキー連盟公認クロスカントリースキー指導員・検定員。

  • 金 宗 代 QUIM JONG DAE

    編集的先達:宮崎滔天
    最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
    photo: yukari goto