巣の入口に集結して、何やら相談中のニホンミツバチたち。言葉はなくても、ダンスや触れ合いやそれに基づく現場探索の積み重ねによって、短時間で最良の意思決定に辿り着く。人間はどこで間違ってしまったのだろう。
4月24日22:16、編集工学研究所1階の本楼。第15期ハイパーコーポレートユニバーシティ[AIDA]の第六講、松岡塾長による「塾長最終講義」リハーサルが進行中だ。
「今はパンデミック、緊急事態宣言。なるべくソーシャルディスタンスを開けてほしい、三密を避けてほしいという状況下で、三つのことを話したい。
一つ目はグローバリズムに待ったをかける思想、二つ目は日本という方法、三つ目が情報生命。
自分にあるこうしたことをおさらいをしてみようと思います。」
一部の塾生をのぞきオンラインでの開催となるが、テレワークの延長ではない。
「ドキュメンタリーを撮るつもりで臨んでほしい」という松岡塾長のオーダーのもと、
カメラ6台の映像、カメラの画像、チャットやエディストのテキストといったメディアが交差し、
今期の塾生だけでなく、過去期のゲストやイシス編集学校の学匠といった様々なキャストが交わし合う。
オンラインとリアルでインタースコアを起こす現場は、映画の撮影スタジオさながらだ。
17:45、会場入りした松岡塾長からディレクションが次々に飛びはじめた。
「ビデオはもう少し下げて。ブビンガ(机)も映っていた方がいい」
「がなる必要ないよね? ちょっと今、少し声を張ってるんだけど」
「このペンはだめ。他もチェックして」「これだと(ペンが)細すぎない?」
「本の映りが暗くない? ライティングを動かして」
「ドキュメンタリーの素材はどんどん撮ってほしい。『八田がコーヒーで衣笠がお茶だ』といったものが見えた方がうまくいく」
進行についても変更がかかる。
「テレビニュースの様子を挟む。リアルタイム感が出てすごくいい」
「セッションは一人ひとり聞いてばかりだとフラットになる。時折、安藤のインタラクションが入った方がいい。吉村はスピードのコントロールかな」
「冒頭の佐々木の入りの前に何かを舐めるような待ち受けを入れよう」
なぜこうしたしつらえを徹底するのか。
「オンラインでは、固定したマルチウィンドウの中であいだがなくなっている。これは日本だけじゃなくて今世界で起こっていること。
だから現場でもあいだを見せていく。カメラマンが近づいたりビデオを横切ったり、スタッフがカメラ撮影する様子も丸ごと、むしろ積極的に出していく」
今期のテーマである「稽古と本番のAIDA」は「平時と有事のあいだ」でもある。
未曾有のハイパー最終講は本日4月25日13:30開催。
遊刊エディストでは、有事下の本番を並走していく。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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