宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。

ほんのれんラジオの最新エピソードが公開されました!
イシス編集学校で世界読書奥義伝[離]まで了えた4名(ニレヨーコ、おじー、はるにゃ、ウメコ)がお送りするほんのれんラジオ。
4冊目にご紹介するのは、『好色一代男』井原西鶴(原作)島田雅彦(訳)。
伝説の色男の物語を読んだら、複雑な気持ちすぎて喧喧諤諤なりました。
エピソード目次恋愛トーク/好かれるのを避けたかった/伝説のパリピ井原西鶴『好色一代男』/春画・望遠鏡で風呂場覗き・男色・人妻・勘当・子供を捨てる/34歳の時、日本一の遊女と結婚/遊女のフィールドワークっぽい!/説教するおじさん/ギャグみたいな設定!当時の人はわろてたのかな/島原遊郭に行った話/衣装から床捌きまで/60代で全てに飽きた。大阪難波で船作ろう。/井原西鶴は何をしたかったのか?/源氏物語・伊勢物語を踏襲した舞台設定が画期的だった/桜も名月も儚いものである、金さえあればな商人気質/The life of the anonymous man/折口信夫も絶賛/『江戸文学問わず語り』縁をつなぐ/私、遊女側の視点がないのが嫌だ/色好みはいいが、敬意がない(犯罪じゃん)/恋愛実践者の伝説
▼今月の旬感本
▼「これって恋愛? 〜この世界を動かす欲望〜」を考える 「ほんのれん」旬感本はこちらの5冊!
・『図説「愛」の歴史』ジャック・アタリ(著)ステファニー・ボンヴィシニ(共著)樺山紘一(日本語版監修) 大塚 宏子(訳)原書房 2009
・『進化が同性愛を用意した─ジェンダーの生物学』坂口菊恵(著) 創元社 2023
・『恋愛と贅沢と資本主義』ヴェルナー・ゾンバルト(著)金森誠也(訳) 講談社 2000
・『好色一代男』井原西鶴(原作) 島田雅彦(訳)河出書房新社 2023
・『21世紀の恋愛─いちばん赤い薔薇が咲く』リーヴ・ストロームクヴィスト(著)よこのなな(訳) 花伝社 2021
ほんのれん編集部
編集工学研究所×丸善雄松堂が提供する一畳ライブラリー「ほんのれん」の選書やメディア制作を手掛けるメンバー。関西弁で跳ねるデザイン知カンガルー・仁禮洋子(ニレヨーコ)、小鳥の風貌ながら知的猛禽類な山本春奈(はるにゃ)、昭和レトロを愛する果敢なコンパイル亀・尾島可奈子(おじー)、2倍速で情報収集する雑読チーター・梅澤奈央(ウメコ)ほか。ほんのれんラジオは毎週水曜更新中。ほんのれん編集部公式noteにこれまでのアーカイブを蓄積してます。https://note.com/honnoren/
読書対話を楽しむpodcast「ほんのれんラジオ」の最新エピソードが公開されました! ほんのれんvol.30のテーマは、”「好き」はどこにある? 自己発信から自己発見へ”。 「好きなモノ」を愛するメカニズム […]
「美味しい=好き」とは限ら ない!?餅好きvs餅マニアの境界線/
読書対話を楽しむpodcast「ほんのれんラジオ」の最新エピソードが公開されました! ほんのれんvol.30のテーマは、”「好き」はどこにある?自己発言から自己発見へ”。 「好きな食べ物」を探したい! &n […]
「趣味は何?」が一番困る質問なワケ。「好きなもの」はどうして言いにくいのか
読書対話を楽しむpodcast「ほんのれんラジオ」の最新エピソードが公開されました! ほんのれんvol.30のテーマは、”「好き」はどこにある?自己発信から自己発見へ”。 「好きなもの」ってなんで微妙に語り […]
「あの戦争」をどう引き受ける?忘却と反省を超えて「私たちの戦争」にするために
ほんのれんvol.29のテーマは、”私たちの戦争? 戦後80年、忘れないでいたいこど”。 ラストの9本目です・・・!ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。 皆さんが感じられたこと、ぜひお問合せフォ […]
ゴジラはなぜ皇居を避けるのか?昭和史おさらいシリーズ#4ゴジラで読み解く戦争の亡霊と昭和の謎
読書対話を楽しむpodcast「ほんのれんラジオ」の最新エピソードが公開されました! ほんのれんvol.29のテーマは、“私たちの戦争?戦後80年、忘れないでいたいこと”。 8本目は助っ人編集部員「バニー」 […]
コメント
1~3件/3件
2025-09-18
宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。
2025-09-16
「忌まわしさ」という文化的なベールの向こう側では、アーティスト顔負けの職人技をふるう蟲たちが、無垢なカーソルの訪れを待っていてくれる。
このゲホウグモには、別口の超能力もあるけれど、それはまたの機会に。
2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。