『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
【松岡正剛 映写室】は師範の林が松岡正剛の表舞台、裏舞台を動画撮影した記録を蔵出ししていくEdist企画です。前回に引き続き、松岡インタビュー(2021年4月初旬収録)の場面を切り取ってお届けします。
【Take-03】は、松岡が「講演」をどのように編集しているのか、その意図を紐解きます。講演とか講義というと、かしこまって聞くイメージがありますが、松岡の講演は映画や音楽ライブ、舞台を見るようなイメージに近く、まずは目で見て耳で聞いて感じたくなります。語られる内容は高密度で、大学の講義何本分かと思わせる情報量なのに、けっして退屈にならないのは、既存の見せ方からいかに離れるか、その徹底があるからこそなのでしょう。場所、美術、小道具、照明、カメラの動き、全てにこだわり、生かして語るのが松岡が仕掛ける講演なのです。
今回から「千夜千冊の秘密」を主催した丸善雄松堂さんの格別なご配慮により【映写室】で本番配信映像を利用できることになりました。初回は、松岡が特にこだわった講演冒頭シーンをご覧いただけます。本番をライブでご覧になった方にとっては、あの夏の暑さごと蘇ることでしょう。
【松岡正剛 映写室 Take-03】講演は舞台のように
撮影・編集 林朝恵
撮影・アイキャッチ画像 後藤由加里
協力 松岡正剛事務所 丸善雄松堂 POMATO PRO
【Back Number】
【千夜千冊の秘密リンク】
8/28(金)開催!松岡正剛ソロトーク「千夜千冊の秘密」只今リハ中 10shot
林朝恵
編集的先達:ウディ・アレン。「あいだ」と「らしさ」の相互編集の達人、くすぐりポイントを見つけるとニヤリと笑う。NYへ映画留学後、千人の外国人講師の人事に。花伝所の花目付、倶楽部撮家で撮影・編集とマルチロールで進行中。
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コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。