外国語から日本語への「翻訳」もあれば、小説からマンガへの「翻案」もある。翻案とはこうやるのだ!というお手本のような作品が川勝徳重『瘦我慢の説』。
藤枝静男のマイナー小説を見事にマンガ化。オードリー・ヘプバーンみたいなヒロインがいい。
設計士に操縦士、インフルエンサーにナイチンゲール。いずれも47[守]縞々BPT教室メンバーの属性である。と言っても職業ではない。あだ名でもない。称号だ。
2021年7月末日、縞々BPT教室1回目のオンライン汁講が開かれた。開講から3カ月、互いに顔をあわせるのは初めてである。2日前に田中香師範代から宿題が出された。「他のメンバー回答(特にミメロギア)を読んでおいてください。」「他のメンバーの「らしさ」を考えておいてください。」とのざっくりした指示だった。
汁講当日、自己紹介の指名をしながら田中が告げる。「MさんにはRさんの、RさんにはFさんの他己紹介もしていただきますので、よろしくお願いしますね」。参加した学衆7名の顔には一瞬戸惑いの色が浮かぶ。他己紹介とは、互いに称号を贈るワークだった。
<うねうね他己紹介フォーマット>○○さんは、まさに(まるで)●●です。わたしが好きな○○さんのミメロギア回答が■■だからです。そんな○○さんに、「縞々BPT教室の▲▲」の称号をさしあげます。
3分きっかりのシンキングタイムを延長することなく発表された称号とその理由は以下のとおり。戸惑いの色は蜃気楼だったようである。
Rさんは教室の「インフルエンサー」です。
「打ち上げ花火の砂浜・プラネタリウムの湖畔」がYouTube動画のように鮮やかだから。
Fさんは教室の「藤原屋(ふじわらや~)」です。
「歌舞伎の大谷・能のイチロー」が歌舞伎役者に間違われたこともあるFさんにぴったりだから。
Dさんは教室の「ナイチンゲール」です。
「見える声・聞こえる文字」が現われていないことや言えないことも引き出してくれる看護師のようだから。
Kさんは教室の「異空間への操縦士」です。
「充電の旅雷・時空の旅幽霊」で宇宙の果てや不思議な世界に連れて行ってくれるから。
Sさんは教室の「チャレンジャー海淵」です。
「みる声・ふれる文字」に底知れぬ深海のような奥深さを感じるから。
Oさんは教室の「ケンタウロス」です。
「ラムネの砂浜・紅茶の湖畔」でカタカナと漢字を見事に融合させたから。
Mさんは教室の「ダイアグラムの設計士」です。
「被災者の声・応援の文字」には、ぐるぐるまわる山手線のように、「助けて」と「がんばれ」のやりとりが続くイメージがあるから。
イシス編集学校では、インターネット上の教室でお題・回答・指南の言葉が行き交う。開講時は名前しか知らない学衆どうしだが、回答・指南を読みあうことで、互いを理解し合い、連帯感も生じる。
縞々BPT教室のメンバーはリズムを崩すことなく回答を重ねてきた。Oさんはお題が目指していることや稽古で気づいたことを勧学会に記録することを週1回のルーティンにしている。師範代が提案した「縞々あっぱれ回答集まれ!」には互いの回答のどこがどうあっぱれなのかを言語化した投稿が続々届く。編集稽古の眼目である「振り返り・リバースエンジニアリング」をあちこちで興している。
着実な編集稽古は、「らしさ」をとらえ、それに適した回答を短時間で選び、言葉で表現する目利き力を培うのだ。
47[守]は8月22日の卒門に向け、稽古に磨きをかけるステージに入った。
次期48[守]コースの募集締め切りは10月11日(月)
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
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コメント
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2025-12-25
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2025-12-23
3Dアートで二重になった翅を描き出しているオオトモエは、どんな他者に、何を伝えようとしているのだろう。ロジカルに考えてもちっともわからないので、イシスなみなさま、柔らか発想で謎を解きほぐしてください。
2025-12-16
巣の入口に集結して、何やら相談中のニホンミツバチたち。言葉はなくても、ダンスや触れ合いやそれに基づく現場探索の積み重ねによって、短時間で最良の意思決定に辿り着く。人間はどこで間違ってしまったのだろう。