感門之盟が始まり、REMIXとは何だろう?と皆が思っている時、松岡校長が壇上に静かに上がる。少し痩せられたように感じる。体調は大丈夫だろうか?ずっと待ちわびた言葉が厳かに語られ始めると、私の懸念は払拭された。
ISISとは楽しみながらREMIXする述語である
感門之盟は黒膜衆・裏方・感門団によって運営され、皆がポリロールを担いロールがREMIXされている。利潤はないらしい。そこまでして皆が集まるのは、編集学校が痛快だからにちがいない。
世界歴史奥義伝
校長はウクライナ問題に触れ、世界史が失われていることを嘆く。世界史はいわゆる4大文明の地で動いているのではなく、もともと紅海・黒海・ベンガル湾に囲まれた地域を中心に回っている。その事実が忘れられ、アメリカ・EU・ソ連に好き勝手にされている。
また今回COVID19により我々がウィルスと共に暮らしていることが再認識された。カミュの「ペスト」等で我々は知っていたはずなのに。ズーノーシスの世界史が失われている。21世紀は微生物から生物史中心に回るだろう。今こそ世界史と生物史を結びつけなければならない。そこに編集技法が必要で、REMIXが大事である。
マラルメの骰子を振る
編集技法にカットアップがある。様々な情報を一旦バラバラにし、再度編集する。そこに偶然性を入り込ませる。それがマラルメの骰子を振るということである。これがREMIXなのだと強調した。聴衆に静かな熱気が伝わっていく。
世界史を再魔術化
最近のメディアからは色々な情報が溢れ落ちている。昔フランスのカタログで全ての分類を傘を用いて行なっていた。哲学や思想等さまざまなジャンルをこのように集めて、分けて、仕組んで、伝えても良いのでは?と問いかける。こういう編集の為に[守]の38のお題があるのだ。情報は単に拡散するだけではダメで、組み合わせてアソシエイトしないといけない。失われた世界史を取り戻すために、伝達の不可能性を超えて表象することだ。世界史を再魔術化するのだ!
いざ世界読書奥義伝へ
今回感門之盟で体験したことをそのままにしないでremindしないといけない。校長は最後に、そう強調された。想起して編集することの大切さを述べている。松岡校長の思いが伝わってきた。コロナや戦争で世界・日本・人々が分断されてしまった。私は世界に散らばる切実をremindし、編集の力で繋ぎ合わせていこうと考えている。「離」に進む決心がついた。
▲自宅の本棚のワンショット。真っ赤な千夜千冊全集や、千夜千冊エディション、大澤真幸氏による『〈世界史〉の哲学』が積まれている。
文:松林昌平(47[破]泉カミーノ教室)
編集:師範代 山口イズミ、師範 新井陽大(47[破]泉カミーノ教室)
撮影:上杉公志(エディスト編集部)
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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