コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。

「ポケットに入っているこの玩具は、6歳の私がコンビニで万引きしたものです」
北川周哉がポケットを入り口にして世界を語ってみせたのは、今から3期を遡る51[破]のときだった。当時学衆だった北川はその後も編集道をまっすぐに駆け、今期55[破]では北川師範代として夕刊ちぐはぐ教室を受け持った。そこに機を図ったかのように、P-1グランプリが復活する。奇しくもというべきか、案の定というべきか、北川師範代の教室からP-1プレゼンターを輩出することになった。
学衆は、教室をトップ回答で率いていた佐藤玄さん。プランのために選んだ数寄三夜は、『クラブとサロン』『コミュニティ』『忘れられた日本人』だった。現代に失われつつある公共や共同体を取り戻したい。そう考えた佐藤は当初「趣味」をテーマにプランを構想するが、もっと具体性を持たせるべしとの指南を受けて「公園」、その中でも「ぶらんこ」に目をつけた。
公園には、よく子供と遊びに行くという。そこにはもともと知り合いでもない大人や子供が集まっている。まさしく公共であり、共同体の場所だ。ぶらんこは公園の中でも、特に人気の遊具らしい。子供たちは順番にぶらんこに乗りこんでゆく。ぶらんこを漕ぐと、吊り下げられた板に乗った体が前後にゆれる。スピードをあげると肌は風を切って、視界はぐわんぐわんとスイングする。ぶらんこには将棋ともサッカーともおままごととも違う、身体的に純粋な享楽がある。
佐藤の調査はつぎつぎと、歴史に埋もれたぶらんこの秘密を明らかにする。ぶらんこはもともと遊具ではなかった。古代では悪魔祓いの儀式に使われていたり、近代では精神病の治療にも使われていた。フラゴナールは「ぶらんこ」という絵画を描いたが、そこには無邪気と欲望が絡み合っていた。佐藤の探求はアーキタイプを掘り下げ、催眠術師の振り子や地球の自転現象を示すフーコーの振り子といった大小宇宙にまで広がっていった。ぶらんこから宇宙が見えた。
「パパ、ブランコが壊れるくらい押して。宇宙に届くくらい押して」
実際に、佐藤が子供に言われた言葉である。なぜ人はぶらんこに乗って宇宙を感じるのか。ぶらんこは文明や宗教や精神にどのように関与してきたのか。ぶらんこに乗ることで、私たちは何を思いだすのか。P-1の場で、古代からぶらんこに託されてきた宇宙感覚が明かされる。
●イシス編集学校 第88・89回感門之盟「遊撃ブックウェア」
★54[破]、43[花]の方はこちら
■日時:2025年9月6日(土)12:30-19:30(予定)
■会場:豪徳寺イシス館 本楼(https://es.isis.ne.jp/access/)
■費用:4,400円(税込)
■申込締切:2025年8月29日(金)
■申込先:https://shop.eel.co.jp/products/es_kanmom88
★55[守]の方はこちら
■日時:2025年9月20日(土)13:00-19:00(予定)
■会場:豪徳寺イシス館 本楼(https://es.isis.ne.jp/access/)
■費用:4,400円(税込)
■申込締切:2025年9月12日(金)
■申込先:https://shop.eel.co.jp/products/es_kanmom89
桂大介
編集的先達:ジル・ドゥルーズ。お酒は中2から、仕事は高1から。今では複数社を経営する編集的起業家。リラックスは、甘だるい香りに包まれるシーシャの耽美な一時。ファッションとお酒をこよなく愛する。
【特集】ETS群島リレー06@広島 瀬戸内海の青とカープの赤
「蒼い風かおる街広島、赤い自転車で飛ぶ」。エディットツアーの参加者が広島の魅力を綴ったコピーだ。瀬戸内海の青とカープの赤が対照的に映えて、たったの18字に広島らしさがギュギュッと凝縮されている。 8月1 […]
コメント
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2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)
2025-08-19
エノキの葉をこしゃこしゃかじって育つふやふやの水まんじゅう。
見つけたとたんにぴきぴき胸がいたみ、さわってみるとぎゅらぎゅら時空がゆらぎ、持ち帰って育ててみたら、あとの人生がぐるりごろりうごめき始める。