目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
3年前の未来予想図が現実になった?!
大学の新学科として「編集工学科」が新設。
千夜千冊は2000夜間近、千夜千冊エディションは35冊目が発売。
イシス編集学校55[守]開講日の5月12日、近畿大学の東大阪キャンパス(ACT-116)にて稽古Dayが開かれた。入門したばかりの近大生が会場に11名、Zoomに6名が集まった。「大学では色んなことを試してみたい」「サービスデザインや、企画の仕事に興味がある」「編集に興味がある」など近大生は編集工学への熱い動機をもっている。
東京から新幹線で駆けつけた学林局の衣笠純子はのっけから「思考をひらき、普通の人とちがうところまで行ってほしい」とにっこりした。
最初のお題は自己紹介から。
1.学部
2.名前
3.誰にもいったことがないこと
衣笠は続ける。「秘密をいうことだけではないんです。私は今日、モスバーガーを食べたんですけど、これ誰にもいってません。今はじめていったんです」と、あえていうほどのことでもないランチメニューだって意図をもって思い出せば自己紹介のネタになることをほのめかす。私たちは、当たり前すぎて無意識になっていることが多すぎるのだ。
近畿大学 東大阪キャンパスとZoomでハイブリッドの開催
どんなこともネタになる。それを知った近大生はとまらない。「ちょっとニンニク臭いかも」「母親から一万円踏み倒してます!」「実は小説を書いてるんです」「チーズケーキワンホールたべちゃいました」と、×匂い、×秘密、×特技、×食欲といった独自の見方をもちはじめた。「オンラインなのでズボンははいてません!」「パンが全部上顎について絶望的だった」と笑いをさそいつつ明かす人もいれば「ニンニクといえばペペロンチーノを食べて今、おなか壊しています」「7倍ペヤングでニンニクの匂いが一週間くらい残ってます」とニンニクシリーズに、×体調、×時間など、ネタにネタを重ねた。はじめて出会った人たちの自己紹介はつながりながら一つの物語になっていくようだった。
ネタにネタを重ねた自己紹介
「情報の収集ってほんっっとに大事!いかに集めるかです!」と衣笠はつづけ、ほぐれてきた近大生をさっと情報編集の入口に立たせる。【編集稽古001番:コップは何に使える?】も一緒に行った。「コップは飲み物をいれる容器」から器つながりで楽器、凶器へ。そしてコップを置く場所なら?中に入れるものは?などを取り出して使い道は多様に広がり、あっという間に参加者全員が001番を回答した。近大番である南田桂吾が近大生の先輩として一言おいた。「回答をするだけではなく、振り返りをかくこと。楽しかった、できた。そういったことではなく、むしろどこで詰ったかも言葉にしておくといいです」稽古を謎解きゲームで終わらせるのではなく、むしろできないところに意識的になることで日常の気にしてもいなかったことが見えてくる。そうして身体に型をしみこませてこその稽古なのだ。
編集学校では”編集工学”を学ぶ。工学とは「自然科学を母体として、人類に役立つ技術を研究・開発する応用科学である。(ブリタニカ国際大百科事典)」というのだから、これから新時代を担う学生が編集工学に取り組む学科があることはとても自然なことのように思える。
3年前にエディストで予想した未来予想図はまだ現実にはなっていないが、近畿大学の東大阪キャンパスで行われた稽古Dayを編集工学科1時限目がスタートしたと見立ててもおかしくないように思えた。
自己紹介として使った「誰にもいってないこと」は、この後の稽古でさっそく使う「ないものフィルター」という型である。すでに次の回答が待ち遠しい。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
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コメント
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2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。
2026-03-05
かつて「大人マンガ」というジャンルがあった(詳しくは「マンガのスコア 園山俊二」参照)。この周辺には、ファインアートと踵を接する作家たちが数多く存在する。タイガー立石もその一人。1982年、工作舎から刊行された『虎の巻』は、まさしくオトナのためのマンガの最極北。いいお酒といっしょにちびちび味わいたい。