漢字から日本のおおもとを探る!輪読座「白川静を読む」間もなく開講

2020/10/22(木)17:21
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イシス編集学校20周年記念輪読座は第1弾「世阿弥を読む」に続き、第2弾となる輪読座「白川静を読む」が10月25日(日)に開講する。「古」そのものに学ぶという、現代につながる世阿弥の稽古哲学の後は、漢字をたどって日本の起源の奥の奥を紐解いていこうというのだ。

 

数か月前、「次は何にしようかね~」と輪読師・高橋秀元(通称、バジラ高橋)の発声に、輪頭(輪読座では林頭ではなく輪頭)の吉村堅樹が応じ、満を持しての「白川静を読む」の開莚(かいえん)が決まった。

 

かつてイシス編集学校には「白川静ブーム」があったという。

時は2008年、松岡正剛校長の著書『白川静 漢字の世界観』が出版された頃だ。

「あの頃は、『字統』『字訓』『字通』を持っていて当たり前のような空気もあったんですよ」と吉村輪頭。編集術を学ぶ者たちは、字典や白川著書を手にして、それぞれの漢字や白川静の読みを持っていたのだ。

 

その中でも人一倍強い白川静への読みや想いを持っているのが、バジラ高橋だ。

バジラ高橋は、『遊 1003号』で白川静のインタビュー記事を任され、白川静本人にインタビューをしていた。

紆余曲折の末に出来上がった「漢字の記憶」インタビューや、白川静のどん欲なまでのこだわりをバジラ高橋は「イシス 20 周年記念 豪徳寺輪読座『白川静を読む』のご案内」にまとめている。

PDF10枚になった案内をご覧いただくだけでも、バジラ高橋の白川静の読みを感じていただけるだろう。

 

しかし、今回の輪読座は特別仕立て。
白川静と親しく交流をしていたバジラ高橋自らが、単著になっていないテキストのみを取り上げる。全集やインタビューから再構成、再編集したテキストをもとに新たに白川静の世界を再構成していくのだ。

 

なぜ、白川静は漢字学にこれほどの執念を燃やし続けたのか。それは単に学者だからとか、好きだからということではない。

現代にこそ持ち出されるべき白川漢字学に今こそ触れていただきたい。

 

輪読座「白川静を読む」詳しくはこちらから。

 

 

  • 衣笠純子

    編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本

(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025

大沼友紀

2025-06-17

●記事の最後にコメントをすることは、尾学かもしれない。
●尻尾を持ったボードゲームコンポーネント(用具)といえば「表か裏か(ヘッズ・アンド・テイルズ:Heads And Tails)」を賭けるコイン投げ。
●自然に落ちている木の葉や実など放って、表裏2面の出方を決める。コイン投げのルーツてあり、サイコロのルーツでもある。
●古代ローマ時代、表がポンペイウス大王の横顔、裏が船のコインを用いていたことから「船か頭か(navia aut caput)」と呼ばれていた。……これ、Heads And Sailsでもいい?
●サイコロと船の関係は日本にもある。江戸時代に海運のお守りとして、造成した船の帆柱の下に船玉――サイコロを納めていた。
●すこしでも顕冥になるよう、尾学まがいのコメント初公開(航海)とまいります。お見知りおきを。
写真引用:
https://en.wikipedia.org/wiki/Coin_flipping#/media/File:Pompey_by_Nasidius.jpg