千悩千冊0004夜★サッショーしまっせ「アイドルグループつくりたいんです」30代女性より

2020/11/30(月)16:50
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サンジュウさん(30代女性)のご相談:
ニジュウにたいこうして30代のアイドルグループつくりたいんですがどうしたらいいですか?

 


サッショー・ミヤコがお応えします

 

ニジュウに対抗するんですね。「30代の」と限定せず、「30代・60代・90代」のクロスオーバーなアイドルグループにしませんか。
30代にとっては「10代で芽が出ず、20代で世に出なかった」悔しさがバネになるでしょうが、なんの、60代になれば「手も足も出なかったこと」が、まして90代になれば「根も葉も羽根も生えなかった」ことが、何よりの強みになります。歌って踊って握手会。その気になったらいつでもご連絡ください。フショー・サッショーが60代代表としてセンターをつとめさせていただきます。

お勧めする本は三冊。岡本太郎の『自分の運命に楯を突け』『自分の中に孤独を抱け』『自分の中に毒を持て』(青春文庫)に3原色の全面オビがついているバージョンをぜひ。書店によっては、まだ特製缶バッジも残っています。さしづめ「楯を突く」のは30代、太郎さんは「目的をもたないことが〝ぼくの目的〟だったと言っています。「孤独を抱く」のは60代、「嫌われたっていいじゃないか」精神で邁進します。「毒を持つ」のは90代、「いつも興奮と喜びに満ちた自分に」なるのはそれからで大丈夫。自分自分の仲良しトリオでデビューしましょう。

 

千悩千冊0004夜

岡本太郎

『自分の運命に盾を突け』

『自分の中に孤独を抱け』

『自分の中に毒を持て』青春文庫

 

 

 

   30・60・90のアイドルがいてもいいじゃないか!

 

 

 

◉井ノ上シーザー DUST EYE

 

わたしはね、 「アイドルグループ」という、目新しさを消費するような仕組みに、生理的嫌悪感を持っています。

消費システム云々を考えないのであれば、「カラオケボックス行って歌えばいいじゃん」といった言葉しか出てきません。

その対極が、今は亡き「アートブレイキー&ジャズメッセンジャーズ」です。
モーニンという名曲を、30年間延々とアレンジを加えつつ、失笑を買いながら、演奏し続けました。

えらいですねー。

▲モダンジャズの名曲”モーニン”。コンサートでイントロが流れただけで「まだやってるのか」と笑いが起こったらしい。

 

 

 「千悩千冊」では、みなさまのご相談を受け付け中です。「性別、年代、ご職業、ペンネーム」を添えて、以下のリンクまでお寄せください。

 

  • 井ノ上シーザー

    編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025