『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

インターネット上の稽古場に50[守]学衆の声が届かなくなって10日が過ぎた。次期に受け渡すものを交し合っていた師範のラウンジももうすぐ幕を下ろす。卒門式の師範代メッセージには、メモリアルな期を走り切った充実がみなぎっていた。50[守]の勢いを引き継いで51[守]も走りだし、24日には50[破]の稽古が始まろうとしている。
新たな扉を開くはなむけに、50[守]20人の師範代の言葉で描いた稽古絵巻をお届けする。
この4カ月は、目を覚ましながら夢を見ているような時間だった(とれもろドローン教室:高本沙耶)。自分が味わったお題と向き合う楽しさを伝えようと、「楽しく」を一番のキーワードにした(釣果そうか!教室:稲森久純)。
それぞれの教室では、互いの回答と指南を共有しあう。そこから気づきや創発が生まれ、足し算ではなく掛け算の学びが興った。教室で一番学んでいるのは師範代だ。師範代というロールの力と学衆の胸を借りて、たくさんの可能性が引き出された(ここいら普門教室:大塚剛史)。聞こえてくる声にただただ耳をすました。みなさんのエンシオスが広がっていったかけがえのない時間だった(50gエンシオス教室:田中志保)。もどかしい時間の中でらせん状の何かができていた。何になるかわからないものの変化を見ていくのが楽しみになった(止観エンドース教室:遠藤健史)。
師範代として伝えたいことがあっても、回答がないと指南は書けない。回答「したい」学衆がいないと伝えられない。お互いの「したい」があってこそ(柑橘カイヨワ教室:得原藍)対話が成立する。教室で一言交わすだけでもこんなに大きな影響を与えあっていることに気づいた(参画さしかかる教室:三浦一郎)。みんなが互いを思いあって、応じあって、ぐるぐると回転する教室になった(厳選タングル教室:川村眞由美)。師範代は空っぽの器になって回答を受け止めた。お題と回答と指南が詰まった器がビオトープになった(代々ビオトープ教室:森川絢子)。お題や周りの回答を通して自分の視点が更新され、変化して、さらに学びたいと感じたのではないか(ミネルバ・ロードス教室:黒田領太)。
「モモ」のように聞き上手な師範代になろうとしたが、教室にたくさんの「モモ」がいた(モモめぐむ教室:中村裕美)。38題の回答が終わったあとで自主稽古が始まった時、教室に編集の神様が舞い降りてきたと思った(外骨ジャーナル教室:山下雅弘)。師範代は回答にアフォードされて師範代になっていく。方法に目覚めてしまったからには、生きている限り編集していくしかない(ダルマ・バムズ教室:小野泰秀)。
日常の中に型を見つけて情報を動かす、それを互いにやるとスピードが上がる。そこにワクワク感が生まれる(異次元イーディ教室:新坂彩子)。稽古で感じた編集の自由自在さを、これからもじっくり体感して、体現していってほしい。未知の奥へ進んでほしい(みちのく吉里吉里教室:林愛)。私たちには、自分が認識している以上にパワーがある。色彩豊かな言葉を持っている(カッパらくらく教室:川上有鹿)。
終えていく感覚をもったときに苦しくなる。編集を終えてはいけない。編集はトランジットから始まる(悠阿弥アメリ教室:仁禮洋子)。始めるのは一人だが、一人ではゆきづまる。めげない気持ちをまわりに宿して贈与的関係を築こう(歓察めげない教室:恩田偉志)。今だから、「人」が編集することが大切なのだ。今こそ編集、今こそ冒険(アスレ・ショーコ教室:紀平尚子)、これからもずっと編集しようぜ SAY!GO!(傑作ペパーランド教室:西村洋己師範代)
◆夢中の稽古と師範代に出会える51[守]へ
[守]基本コース(51期)
2023年5月8日~8月20日
https://es.isis.ne.jp/course/syu
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
ゲストは田中優子学長!!「九州の千夜千冊」刊行記念イベント必聴です
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コメント
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2025-10-15
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「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。
2025-10-14
ホオズキカメムシにとってのホオズキは美味しいジュースが吸える楽園であり、ホオズキにとってのホオズキカメムシは血を横取りする敵対者。生きものたちは自他の実体など与り知らず、意味の世界で共鳴し続けている。
2025-10-07
「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。