私の28[花]キャンプは、吉阪隆正の建築思想【不連続統一体】の体験だった。場面ごとに異なる空間が次々と立ち現われてくる。よく分からないままに一周すると、ようやく建物を貫く原理のようなものが見えてくる。この「遅れて」やってくる全体性がたまらなかった。

世界中が新型コロナウイルス(COVID-19)という見えない敵に戦いを挑んでいる。千夜千冊でも、ウイルスを考える2夜『ウイルス・プラネット』『流感世界』が公開され、大きな反響を呼んだ。
そのような中、インターネット上の学校であるイシス編集学校では、第45期[守](通常版)と第44期[破]の開講を筆頭に、第33期[ISIS花伝所]、第45期[守](速修版)に[遊]風韻講座 第十八座も開講目前だ。
その中で、またも輪読座の開講が危ぶまれていた。
前回の輪読座は、日本陽明学の祖と呼ばれる「熊沢蕃山」を取り上げたが、募集人数が定員を大きく割り込みそうになり存続の危機にさらされていた。
一難去ってまた一難。今期の輪読座は新型コロナウイルスに襲われていた。
輪読座はイシス編集学校で唯一のリアル読書講座である。博覧強記の輪読師・高橋秀元とともに、参加者は豪徳寺ISIS館に集まりお互いに声を出しながら輪読する事で解読力をつける講座なのだ。
だが、人との接触を8割削減することが求められている今、集合講座である輪読座はどうあるべきか窮地に立たされた。
今期の輪読座はイシス20周年記念として、満を持しての「世阿弥」だ。世阿弥の言葉や構えがいきているイシス編集学校で、世阿弥の講座を中止にしていいものか。
能はもともとは申楽という遊民たちの芸能から発達し、世阿弥の父、観阿弥が今日のような形にした。世阿弥はその芸を継承しつつも、所作や心得に言葉を与え、精神性の高い芸域「幽玄」を求めた。能はある意味、それまでの日本文化を再編集したものであり、芸としては引き算をした。
輪読座は世阿弥に肖り、編集が行われた。輪読座というスタイルを継承しながら、クオリティを高め、リアル参加者を引き算し、メディアとしてオンラインに乗り換える。輪読座は参加者が全員サテライトで参加する、新生輪読座として開講が決まったのだ。
緊急事態宣言の発出により外出を自粛すべき今だからこそ、自分の力を蓄える稽古はいかがだろうか。「年来稽古条々」。サテライト輪読座で、生涯にわたる稽古の心得を学ばれたい。
サテライト輪読座は4月26日にスタートする。
詳細はこちらから。
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
「読む力」が人生を決める——佐藤優×吉村堅樹、読書と読解の本質に迫る
いま、私たちに本当に必要なのは「読む力」である。 作家・元外交官の佐藤優氏が動画の中で“読書の師匠”と呼んでいる人物がいます。それはイシス編集学校 学林局林頭、吉村堅樹。 今回公開された対談動画では、この2人が、現代 […]
知の迷宮ちえなみきに、田中優子登場!江戸と編集の秘密、ここに集う
ついに、あの人がちえなみきにやってくる。 3万冊の本が迷路のように連なる“知の迷宮”ちえなみき。その舞台で、江戸文化研究の第一人者であり、イシス編集学校学長・田中優子が語る特別講演が、いよいよ開催されます。 […]
編集学校のみなさん“知の越境”AIDAオンライン、のぞいてみませんか?
編集を学んでいるなら、ここも外せない。 Hyper-Editing Platform[AIDA]は、分野や業界を超えて、これからの社会像を構想する半年間の学びの場です。 異才・達人・哲人たちと共に、対話と探究を通して自分 […]
銀河の音にセイゴオの声が重なる夜~玄月音夜會 第二夜 7月18日(金)開催
宇宙の果てに漂うような、郷愁の調べ。 星めぐりの音とともに、セイゴオが語りだす——。 松岡正剛の10回目の月命日に始まった、追悼記念企画「玄月音夜會」。 第一夜では、半世紀にわたる親交をもったあがた森魚さん […]
グラスを回す指先に、本の記憶が香る― 「酒上夕書斎」第2夕 6/24YouTube LIVE開催
「酒上夕書斎」第2夕、開催決定。 ― 今度の一冊は、学長・田中優子をつくった“まさか”の読書体験。 ゴートクジイシス館から、月に一度の“本とワインの夕べ”をお届けするYouTube LIVE企画「酒上夕書斎(さけのうえの […]
コメント
1~3件/3件
2025-07-03
私の28[花]キャンプは、吉阪隆正の建築思想【不連続統一体】の体験だった。場面ごとに異なる空間が次々と立ち現われてくる。よく分からないままに一周すると、ようやく建物を貫く原理のようなものが見えてくる。この「遅れて」やってくる全体性がたまらなかった。
2025-07-02
連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。