56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
川邊透
2025-11-04 17:58:52
この秋、イシス編集学校の基本コース[守]の師範代として登板する西岡有美さん(56[守]ピノキオ界隈教室)。西岡さんは、[守][破][花]の講座を渡る中で、イシス編集学校で大切にしていることと自分が好きなことの共通点に気づき、行く先を見つめます。
イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。
イシス修了生による好評エッセイ「ISIS wave」。61回目の今回は、アイキャッチも新たに、西岡さんの決意をお送りします。
■■サカイメの「わたし」
イシス編集学校は、境目を大切にしている。
サカイメ、あいだ、門、膜、縁側…あちらとこちらを分けているようで、繋げているような場所。
思えば、わたしはサカイメが好きだった。
山と空の稜線、山の家から町に下る時の深い霧のあいだ、おばあちゃんちの縁側。角川武蔵野ミュージアムの鋭いフォルムが快晴の青空を切る鋭線も。
▲たくさんの「サカイメ」。海と空、空と鳥居、鳥居と海、海と砂浜、鳥居の向こうとこっち……。
サカイメは、私の人生のワカレメでもあった。
車に轢かれ、無機質なアスファルトの道上で、拳を握りしめ待った死かその先の人生かの狭間。全身の力をふり絞り、わが子をこの世に産み出した瞬間。ああ、就職試験の日に、あの電車に乗るか乗らないかも、編集学校で幾度か対面した「申し込み」ボタンを押すあの静かな一瞬一瞬も、境目だったのだ。
境目を越える時、それは私の人生の向こう側が動き出す時でもあった。
しかし、越えられない境目もある。
私たち、53[守]入門生は、松岡校長の生と死の境目にあった。初めての感門を翌月に控えた昨年の8月から、永遠に抜け出すことはできないブラックホールの穴のような境目で、未だ身動きが取れずにいる。いや、待て。この大きな穴は、ともすれば、鍵穴なのか。鍵はどこだ。
そして、あの8月から14か月後の今日、わたしは新たな境目にいる。師範代認定され、56[守]登板前の、さなぎ状態の師範代。編集学校のあちら側とこちら側が、わたしを引き合う。未知に向かうそこはかとない恐怖に足が震える。
今こそ、思い出そう。サカイメが私を虜にし、人生に彩りを添えてきたことを。未だ見ぬ、向こう側の何かに出会いたいという一心で、性懲りもなく、わたしは、また、この境目を、震える足で、越えていく。
文・写真/西岡有美(53[守]風土いきいき教室、53[破] 触発ボタニカル教室)
編集/チーム渦(大濱朋子)
★未だ見ぬ何かに出会いたいなら――秋開講の[守]基本コース、残席わずか
第56期[守]基本コース
【稽古期間】2025年10月27日(月)~2026年2月15日(日)
申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/syu)から。
コメント
1~1件/1件
2025-11-04 17:58:52
2025-11-04 17:58:52
56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
エディストチーム渦edist-uzu
編集的先達:紀貫之。2023年初頭に立ち上がった少数精鋭のエディティングチーム。記事をとっかかりに渦中に身を投じ、イシスと社会とを繋げてウズウズにする。[チーム渦]の作業室の壁には「渦潮の底より光生れ来る」と掲げている。
編集稽古で引き出された「わたし」――高橋仁美ISIS wave #74
イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。高橋仁美さんは普段は物語を使って、子どもたちの想像力や表現力を伸ばす英語教育に携わっています。編集学校でのお題に回答するうちに、現在の […]
数学にも社会にも「いい物語」が必要―津田一郎 56[守]特別講義
数学は、曖昧さを抱え、美しさという感覚を大切にしながら、意味を問い続ける学問だ。数学者津田一郎さんの講義を通して、そんな手触りを得た。 「数学的には手を抜かないように、それだけは注意したんです」 講義終了後、学林局 […]
巻き込まれの連鎖が生んだもの――宇野敦之のISIS wave #73
イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。 「いろいろ巻き込まれるんです…」と話すのは、[守][破][物語][花伝所]とイシスの講座を受講した宇野敦之さん。一体何に巻き込まれた […]
新しいことをするのに躊躇していたという増田早苗さんの日常に、突如現れたのが編集稽古でした。たまたま友人に勧められて飛び込んだ[守]で、忘れかけていたことを思い出します。 イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を […]
【書評】『熊を殺すと雨が降る』×5×REVIEWS:5つのカメラで山歩き
松岡正剛のいう《読書はコラボレーション》を具現化する、チーム渦オリジナルの書評スタイル「3×REVIEWS」。 新年一発目は、昨年話題をさらった「熊」にちなんだ第二弾、遠藤ケイの『熊を殺すと雨が降る 失われゆく山の民俗』 […]
コメント
1~3件/3件
2026-03-05
かつて「大人マンガ」というジャンルがあった(詳しくは「マンガのスコア 園山俊二」参照)。この周辺には、ファインアートと踵を接する作家たちが数多く存在する。タイガー立石もその一人。1982年、工作舎から刊行された『虎の巻』は、まさしくオトナのためのマンガの最極北。いいお酒といっしょにちびちび味わいたい。
2026-03-03
桃の節句に、桜の葉が好きなモモスズメ。飼育していると、毎日、たくさんの糞をするが、それを捨てるのはもったいない。こまめに集めて珈琲フィルターでドリップすれば、桜餅のかほりを放つ芳しき糞茶のできあがり。
2026-02-24
昆虫観察には、空間の切り取りに加えて、時間軸を切り裂くハサミをタテヨコ自在に走らせるのもおすすめ。この天使のようなミルク色の生き物は、数十分間の期間限定。古い表皮を脱ぎ捨てたばかりのクロゴキブリです。