{[(ゴミムシぽいけどゴミムシではない分類群に属している)黒い星をもつテントウムシに似た種]のように見えるけど実はその偽物}ことニセクロホシテントウゴミムシダマシ。たくさんの虫且つ何者でもない虫です。
情報は番(つがい)で創発する。
「一種合成型」を用いた「番選ボードレール」を走り抜けた翌日、本楼では、56[守]の指導陣の勉強会「創守座」が開催されていた。
「一種合成型」とは、ラジオとカセットをかけ合わせて、ラジカセというツールを作り、カルチャーを成してしまうような「関係の発見」の型である。
[守]学匠の鈴木康代が、一種合成型と教室を重ねながら、挨拶の言葉を贈った。教室でも、師範代や学衆のエディティングモデルのかけ合わせで「創発」が起こる。社会化され固定化された関係のままを良しとせず、抗ってほしい。稽古のなかで、そこに気づいていってほしい。
創守座のオープニングメッセージを贈る鈴木康代学匠。教室での対話と創発に期待をかけた
* * * * *
「千夜千冊番読み(せんやせんさつつがいよみ)」のコーナーでは、番匠阿曽祐子・師範景山和浩のコンビが、千夜千冊の「番」(つがい:対や交互の意味)での読解を仕掛けた。2つのテクストの重ね読みである。
ピックアップされたのは、『セクシーな数学』(グレゴリー・J・チャインティン)、『無名時代の私』(文藝春秋編)というジャンルを超越した2夜だった。
番匠の阿曽祐子・師範の景山和浩。「番読み」のネーミングも二人によるものだ
数学には、本来セクシーがある。ラグビーの膠着状態を打破するアンストラクチャー(非構造)な動きのように、数学にもセクシーといいたい生命的なランダムネスが必要だった。ストラクチャーとアンストラクチャーの両面に「編集」があると語られる、千夜千冊1830夜『セクシーな数学』。
無名時代には、理不尽にもみえる「藪から棒」を掴むことが必要であり、それこそが自己の範疇を超えた可能性をもたらす。才能の開花は、棒に刺されて起こるのだ。ある意味では「有名になってはならない」という戒めにも聞こえてくる、千夜千冊1292夜『無名時代の私』。
無関係にもみえる2冊を巡る松岡校長の言葉から、型を使って新たな関係に向かっていく勇気と、不確実性を恐れず他者と混じり合うことへの励ましを受け取った師範代は少なくなかった。
彼らは、3年あるいはもっと長い間、壁にぶつかりながらも、自分はここに賭けるしかないというものを見出していたのだ。あるいは、賭けるしかないと、観念していたのだ。
さくさくウムベルト教室 師範代 翠川辰行
対比するものを、どのように楽しんで交わらせるか。交わりにより何を生み出すのか。それはお題だけではなく、自分自身の中、社会の中、あらゆることに、ところで行われてよいのではないか。
連菫ポレポレ教室 師範代 高橋英子
通底するのは「自発的な相転移」
私自身が相転移されたがっている。
半跏グノーシス教室 師範代 坂口弥生
千夜千冊番読みのメッセージは、一種合成の砂煙のなかに立ち昇った。
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「セクシーであること」と「無名であること」。「康代学匠の言葉」と「番読みの仕掛け」。「番ボー」と「創守座」。
番(つがい)の試みはまだまだ終わらず、その実験の舞台を再び教室へと移す。
文:師範 阿久津健
写真:阿久津健・北條玲子
阿久津健
編集的先達:島田雅彦。
マクラメ編み、ペンタブレット、カメラ、麻雀、沖縄料理など、多趣味かつ独自の美意識をもつデザイナー師範。ZOOMでの自らの映り具合と演出も図抜けて美しい。大学時代に制作した8ミリ自主映画のタイトルは『本をプレゼントする』。
俳句・根本対同・ミメロギア──56[守]創守座 用法3解説に寄せて
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2025-12-02
{[(ゴミムシぽいけどゴミムシではない分類群に属している)黒い星をもつテントウムシに似た種]のように見えるけど実はその偽物}ことニセクロホシテントウゴミムシダマシ。たくさんの虫且つ何者でもない虫です。
2025-11-27
マンガに限った話ではないが、「バカ」をめでる文化というものがある。
猪突猛進型の「バカ」が暴走するマンガといえば、この作品。市川マサ「バカビリーバー」。とにかく、あまりにもバカすぎて爽快。
https://yanmaga.jp/comics/
2025-11-25
道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。