平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。
たどたどと揺れる火は、点ずる先を探していたのだろうか。内外に吹く風にかき消されぬよう、焚べられる薪を頼りに、今こそ燃えよと寄り合い、やがて気焔を上げる。
2日間のトレーニングキャンプを締めくくるのは、花伝所恒例、全員参加のキャンプファイヤーだ。ここには、過去期の師範、師範代も花守衆として加わり、燃ゆる火を囲む。もちろん、キャンプファイヤーもエディットカフェ上で行われる。
すっかり暗くなったスタート時刻の19:00ちょうど、花目付の合図を待たずに、K・Kが勢いよく飛び出した。点呼と振り返りのスレッドを立ち上げたのだ。44[花]は初動がはやい。次々と声があがり個人の振り返りが投稿されれば、そこにグループワークを共にした仲間の言葉が重ねられていく。これまでの演習の成果か、振り返りのダンドリもお手のものだ。そうやって2日間のトレーニングキャンプを振り返れば、グループワークとして与えられた問い(お題)から、さらなる問いを見つけることになる。S・Tは「もし明日同じグループワークをするとしたら」とお題を作り、仲間に投げかけた。
1時間ほどすると、平野しのぶ花目付からキャンプファイヤー名物、[問答札]が差し入れられた。いつもはお題を受け取る側の入伝生が、師範や花守衆へ質問や相談を投げかけるチャンスだ。どんなことでもOKの無礼講。渦中では聞けなかったモヤモヤが[問答札]となって放たれ、火はさらに大きくなっていった。
あっという間に3時間が経ち燃える炎もやがて燠火となる頃、平野花目付より次なるフェーズへの出発が告げられた。
燠火は種火となり、消えることなくそれぞれの胸に灯り続ける。まだ見ぬ教室の学衆へ、世界をかえる方法を手渡すために。
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大濱朋子
編集的先達:パウル・クレー。ゴッホに憧れ南の沖縄へ。特別支援学校、工業高校、小中併置校など5つの異校種を渡り歩いた石垣島の美術教師。ZOOMでは、いつも車の中か黒板の前で現れる。離島の風が似合う白墨&鉛筆アーティスト。
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2026-03-10
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2026-03-05
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2026-03-03
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