『関西汁講~型を身体に通す・京都まち歩き~』再演【56[守]】

2026/03/03(火)16:15 img img
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 参加者の脳内がカオス状態にさしかかりつつあった56[守]向け特別講義の最終局面で、登壇者の津田一郎さんから最後のメッセージが放たれた。
  「Needs」ではなく「Wants」に向かえ
「Needs」は既に誰もが必要とわかっているもの。それよりも、人が望んでいるにもかかわらず、まだ見えていない「Wants」に取り組むことこそ本当の役に立つとのことだ。

 

・・・

 

 56[守]のひとつの場面がよみがえった。一人の師範代が起こしたひとしおの揺らぎ。あの一声がたくさんの相互作用を誘発し、3か月後の2026年1月17日(土)の京都に関西汁講という新たな物語を生みだした。教室を越えて25名の学衆・師範代・師範が集う大きなうねりとなった。参加者たちが、各々のフィルタ―で切り取ったシーンをつないで、ここに物語を再生しよう。

 

◆はじまりの一投
11月、創守座の余韻が残る本楼で、半跏グノーシス教室師範代の坂口弥生がおもむろに立ちあがった。

 

スクっと立ち上がり、ひと呼吸、「関西汁講やります!」。11月の創守座で指導陣が残った本楼で宣言した。振り返ると、確かに始まりはあそこではあったが、すでにキャスティングも揃いカメラは回りはじめていた。
(半跏グノーシス教室師範代・坂口弥生)

 

◆禊のせせらぎ流れる下鴨神社に集合
初詣の余韻が残る下鴨神社楼門がスタート地点。まずは、一年の平安と健康とともに編集稽古の幸先を祈る。

 

約束もないのに、乗り換えるたびに同期師範代がつぎつぎあらわれ、「いないいないばあ」な道行になった。

(シャボン泳法教室師範代・中田ちひろ)

 

暖かな初春の下鴨神社。森を抜けてあらわれる赤い門で待ち合わせ。目印の赤い旗、赤を纏う関西汁講世話人を探す。まずはみんなでお参り。誰が師範で師範代?

(蓮華ソーソー教室・学衆A)

 

◆食べ物見立ての教室紹介・自己紹介でお腹いっぱい
座った途端にお題が出される。教室を食べ物に見立てて紹介しあう。
にぎやかでスピードが速いのでフルーツポンチ、ばらばらだったメンバーがいい味を出しはじめたのでおでん、一粒ずつは色々な形をしているが齧りついたら美味しいのでトウモロコシ、、、教室自慢が尽きない。

 

自分の教室を食べ物に見立てて教室紹介。ポップコーン、長期熟成味噌など「らしさ」を捉えた即興編集。「その心は?」と師範が合いの手を入れるたびに、ホウホウと頷くばかり。
(半ちらつもり教室・学衆Y)

 

◆カメラをもって街へ出よ、リアルカット編集
京都の街を地に【029番:犬と女のカッティング】のカット編集をしようというのがふたつめのお題だ。5枚のカットを並べてストーリーを立ちあげる。与えられた時間は90分。

 

カット編集お題のカットを探しに京都の町中をみんなで散策。物語(妄想!?)を語り合ったり、他チームがの撮影シーンが気になったり、通りの珍しい景色やアイテムに驚いたり、ワイワイ楽しい道すがらだった。
(ゆらぎロボ教室師範代・小名国仁)

 

 じ、じかんがない。
 集めた素材をならべて、わけて、何かと何かを繋げようと、頭を絞らせる。
 今日は、自分だけの回答じゃない、チームでの作品づくり。絞り出した上で、  
 さらに、集めて分けて繋げようと、もがく。

 加速する思考
 揃っていく呼吸
 紡がれる言葉
 包まれる一体感

 これが、編集の力か!
(ピノキオ界隈教室師範代・西岡有美)

 

編集カッティングプレゼン。歩き回って撮影した写真からこれぞ!と思い抱くカット写真を探し出す。
(本音かいな教室・学衆I)

 

◆相互編集でたくさんの京都物語完成、上映会

 物語が完成したならば、作り手から演じ手に着替えての上映会だ。最後は、師範の稲森久純と森本康裕による講評を受けて、カット編集術の奥義を深めた。

 

司会、ナレーター、写真を動かす役、人形を動かす役、それぞれがなりきって演じる。
チームで「GO!」の叫び声があがる。それぞれのロールが一気に花開いた時間だった。
(ピノキオ界隈教室・学衆O)

 

街のカットを、わけてあつめてつないでかさね、イメージ繋いでプレゼン大会。感歎誘う京物語ができた。
あら不思議!
教室やロールの埒が無くなって、キラキラ眼の少年少女たちが出現!
(ピノキオ界隈教室・学衆S)


作品発表しているときのみなさんの表情とプレゼン後に、師範、番匠が講評してくれたときの表情がなんとも楽しそう。
(シャボン泳法教室・学衆M)

 

 

 「次は感門之盟で会おう!」と誓いあってひとまずの解散となった。集合時の下鴨神社からたくさんのプロフィールを経て、得られたのは相互編集を尽くした達成感と型・人・場への更なる好奇心だった。

 

・・・

 

 場所という制約を越えて、たくさんの人とともに活動できる多層で多様なイシスの自由を一人でも多くの人に感じてほしい。守破の講座だけでなく、奇内花伝組、子ども編集学校の活動を通して、たくさんの編集の先達モデルに倣いながら、編集の道を歩んできた坂口の願いだ。目的地が見えなくとも、何かが萌芽しそうな兆しを感じたなら、進んでみる。そうして、編集したいこと・書きたいことに出会ってきた。

 

 津田さん曰く、まだ見えていない「Wants」を目指して、何度でも仮説推論を繰り返していくことで、未来が拓かれていくという。一人の師範代の「Wants」を起点に、たくさんの「Wants」が生まれでる一日となった。

 

 

(編集後記)
師範代の坂口は、事前にすべての行程を歩いて確かめた。ダントツなダンドリ編集の末に出現した場だったのだ。


(文  :56[守]番匠 阿曽祐子

  写真:56[守]師範代 中田ちひろ、師範代 坂口弥生、師範 森本康裕)

 

  • イシス編集学校 [守]チーム

    編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。