『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
ピアノの音色に合わせて、蕾がひろがる、蝶が飛び立つ、扇がひらく。「時分の花」の文字と共にオープニングの映像が終わると、花伝所の田中晶子所長は、松岡校長の声を思い出すように語り始めた。
「松岡校長の檄を聞くと、いまでも気が引き締まります」
花伝所において松岡校長は、時に胃が痛くなるような言葉も含め、たくさんのディレクションをかけてきた。しかしその声を受けた者は、校長の世界観という、大きな贈り物が込められていたのではないか。
今期の44[花]は、入伝生9名。まさに「少数なれど熟したり」を体現した期となったが、2つの道場を率いる師範らは、いつもと同じ様に、いやさらに細かく考えながら、深く指導の刀を切り込んでいったという。
「人の弱いところに切り込んでいかなければ、編集は起こらない」
これも校長のディレクションである。
田中所長は、さらに松岡校長の言葉を引用されながら、放伝生に向けてメッセージを送る。「かつて松岡校長は『花伝所はレクジットバラエティだね』と言いました。レクジットバラエティとは「限定的でありながら多様性をもつシステム」のこと。私たちはチグとハグを正す社会に生きていますが、花伝所ではそこをバラバラに組み合わせて言葉を極める勇気をもつこと、際と際を交えることができる場をなにより大事にすることを松岡校長から受け継いでいます。皆さんが師範代、師範となって、この言葉を掘り起こしながら編集していかれることを期待します」。
花伝所は、正式名称を「ISIS花伝所」という。ISIS(Interactive System of Inter-Socres)という言葉が冠についた、編集コーチ養成コースだ。
「ISISを携えてエディッティングをしながら師範代となって、日本を変えていけるような人たちを輩出していきたい」
「読奏エディストリートを進みたいと思っている皆さん、ぜひ花伝所に進んでもらいたい」
すべての入門生に向けて、田中所長はエールを送った。
アイキャッチ/福井千裕
コメント
1~3件/3件
2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。