『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
開花宣言で春めく東京。豪徳寺の桜も咲き初め、今日3月22日は本楼も、守講座の卒門式及び物語講座の績了式で色づく。過去最高の参加者数を集めて湧き立つ「第90回感門之盟」2日目は、まもなくスタート。総合司会の大役に臨む師範・齋藤幸三の4ショットを通して見えてくる「読奏エディストリート(*)」のこころとは?
*読奏エディストリート
第90回感門之盟のタイトル。「読奏」には春の兆しを読み奏でる志を込め、「エディストリート」にはEdit+Street(編集街道)とEdist+Lied(編集歌曲)を多義的に響かせた。
▶9:15 現地入り。
イシスイベント登壇者なら必ず聞かれる<今日の装い>。齋藤師範は45守の師範代時の先達文庫『北欧の神話』の装丁に、ネクタイとチーフの色味を肖った。主役である学衆と凝聚が‘春のピンクなら、司会たる自分はそれを引き立てるやわらかで温かな色を纏いたい。
▶10:30 リハーサルの様子。
故・松岡校長はリハーサルにとりわけ厳しく、本楼に満ちる校長の気配がプレッシャーと鼓舞を同時にもたらす。「不安や緊張はあるけれど、なくなるまで練習するだけ」。齋藤が心寄せるロックアーティスト・細美武士の言葉がよぎる。
▶11:30 ランチタイムの打ち合わせ
リハーサル終了後のわずかな時間で腹ごしらえ。緊張を緩め、来るべきときに備えてしっかり食べる。とはいえ、この間も入れ替わり立ち替わり人がやってきて、確認や打ち合わせ。コーナー司会を務める奥本英宏番匠とも最終確認を。
▶12:00 いよいよ開場。
齋藤がめざす司会のモデルは、名人・佐々木千佳局長だ。秘訣を聞かれて局長は、「みんなと一緒に<場>をつくることだけを考えている」と語ったという。齋藤も今いちど自分に言い聞かせた。「うまくやろうとしないこと。そうでなければ、原稿にはないその場で生まれくるものを拾えない。感情が動いたら、内にとどめず言挙げする。その大切さを皆さん教室で感じただろうけれど、ここで再び確認したい」。そうでなければもうすぐ、本楼にいくつもの春が兆す。
文・撮影/今井サチ
今井サチ
編集的先達:フェデリコ・フェリーニ。
職もない、ユニークな経歴もない、熱く語れることもないとは本人の弁だが、その隙だらけの抜け作な感じは人をついつい懐かせる。現役時代はライターで、今も人の話を聞くのが好き。
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コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。