『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
師範や番匠を2期以上務めた者に贈られる「師範頌」。指導陣の誰もがうらやむイシスのオリジナルアイテムだ。鈴木康代学匠が今期選定したのは、松岡校長のドローイング『胡蝶の夢』の版画版。15名に労いの言葉と共に手渡された。主客転倒、虚実や夢うつつを軽やかに行きつ戻りつして、ぐいぐいとイメージメントを広げていく。番匠や師範にそんな稽古模様をつくり出してほしいとの思いが込められている。
はたしてワタシ(荘子)が校長(蝶)の夢を見ていたのか、それとも校長がワタシの夢を見たのであったか。そんな大胆かつシアワセな気分に浸るもよし、だ。
【受頌者】
師範:阿久津健/景山和浩/一倉広美/稲森久純/小林美穂/名部惇/福井千裕/福澤美穂子/森本康裕
番匠:阿曽祐子/石黒好美/奥本英宏
同朋衆:石井梨香/若林牧子/相部礼子
学匠:鈴木康代
「胡蝶の夢」を手にする景山和師範。趣のある着物姿が目を引くが、これはday1の総合司会者・三國紹恵師範代から譲り受けたもので、プロ野球の大沢親分の形見分けだそう。
今井サチ
編集的先達:フェデリコ・フェリーニ。
職もない、ユニークな経歴もない、熱く語れることもないとは本人の弁だが、その隙だらけの抜け作な感じは人をついつい懐かせる。現役時代はライターで、今も人の話を聞くのが好き。
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コメント
1~3件/3件
2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。