『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
本楼での感門史上最大の人数で迎えた56[守]卒門式。この熱気を受けとめるべく、鈴木康代学匠が壇上に立った。
「私たちは、実学ではなく虚学をやるべきだ」。56[守]特別講義の津田一郎さんのメッセージを引き合いに出し、実社会を取り巻く効率重視の波に目を向ける。教室は、虚の場だ。編集稽古の中でアナロジカルな対話を繰り広げるからこそ、イメージを実に持ち込んでいくことができる。そう伝える学匠の目線が、会場の学衆のそれと重なる。
そもそも世の中はわからないことに溢れている。急いで解決に向かえば、その怒涛に飲み込まれてしまうだろう。稽古の空間と時間の中では、わからないことを少しずつ飲み込んでいくしかない。「わからなさに耐える」その力をいかに身につけていくか。虚にいるからこそ手に入れられるものが、必ずある。
松岡校長の気配に満たされた本楼で、守の稽古のあちら側に視線を促された学衆たちが手を叩く音が、長く響いた。
得原藍
編集的先達:野尻抱影。師範代前から、未知のリアル編集コーチに挑戦。いまや師範をつとめながら、大学講師、理学療法士、公認心理師、地域で遊び場を出して子育てもする、片手で足りないポリロール。遊びと好奇心が大好物。
「先達文庫をもらうことに、憧れていました」 先達文庫授与を終え、移動のために裏口から出てきた56[守]師範代たちに声をかけると、嬉しそうな声。皆、満面の笑みを浮かべている。4ヶ月の教室運営を終え、師範から感 […]
「感門之盟は、おしゃれしてきなさい」 松岡校長は感門前にかならずそう口にした。人間は、身体を持ったメディアである。それならば、その場・その時を読み替えて身に纏いたい。そんな思いで集まった感門Day2の指導陣 […]
学長の姿に肖って 三度、[守]講座を受講した。 一度目は、はじめてイシスに入門した39期[守]。 二度目は、一念発起して[花伝所]を放伝した直後の49期[守]。 そして今期、54[破]師範とダブル・ロールで […]
コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。