【Archive】花伝式目奥義伝★深谷もと佳の花のカクシン

2022/02/07(月)10:05
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週刊花目付

 『週刊花目付』アーカイブ紹介の前に、執筆者のプロフィールを一言。
 
 ISIS花伝所を牽引する[花目付]。深谷もと佳は止まらない。本人は告白していないが、あるいは自覚していないかもしれないが、その奥で、ISISをもって“日本の革新 ” ができるとカクシンしているに違いない。
 「問い」の在り方を迫る花伝所にあって、いつも衰退日本の相似形を引き込み、拠って「問い」を立てるスタイルがホームポジションだからだ。

 決めたことは実践する。ふるまいは、大胆にして繊細に、スタイリッシュにしてアナロジカルに、ハサミを振るう姿はサムライのようだ。それでいて、母の眼差しのような言葉と微笑だけが記憶に残る。
 入伝生が発する言葉のスポータに着目、「ISIS版セイバーメトリクス」によるスコアリングの集積分析をアドバイスに変え、師範たちには指導のアブダクションを提案している。ISISメディアのアイデアのプランナーであり、編集工学エンジンをして方法日本に着火したいとウズウズしている仲間をつなぐ、粋なコラボレーターでもある。
 余すことなく請け合い分け合う環構造、奔走するエディターシップ、誰もが憧れる。

 

 深谷もと佳
 生業は美容師。小田原の美容サロン「アトリエミーム」主宰。
 FMラジオパーソナリティー。
 31[守]入門、30[破]、10[離]、23[花]を経て、
 36[守][破]師範代、39[守]、29[花]から師範、
 34[花]から花目付。
 花伝式目と道場指導に革新的編集を起こし続けている。
 エディスト創刊当初から寄稿、本稿連載の他、『髪棚の三冊
 『radio EDISTーISIS for NEXT20』など。

 

 

◆『週刊花目付』アーカイブについて

 当の花目付はこんな風に語っている。

手の内を明かす話だけれど、この連載は「花伝所を言語化せよ」というミッションの下に書き連ねている。花伝所とはいったい何なのか。そこでは何が行われていて、どこへ向かおうとしているのか。それを花目付ロールの目線で語り重ねる試みだ。いわば「秘すれば花」を解く編集である。   
──[週刊花目付#012] バケツの中のポニョ_ 2021/05/14(金)

 

 時系列で読み進めれば、式目演習のステップと道場の様子、指導陣の視点の移ろいを同時に感じられるでしょう。いずれの稿にも花伝所の型稽古<花伝式目(5M)>が、指南術や場の理論提示にとどまらないこと、式目やプログラムの改編とともに、<ISIS花伝所>が更新されていく様も詳かにされています。つまり、今のところエディストでのみ堂々伝授される “花伝式目の奥義” として読むことも可能です。

 

以下、式目風に章立て、タグ付きでお届けします。折々、気になる言葉からどうぞ。

(2022/2/2現在、全28本)

 


第1章  感じ、応じ、深める<エディティング・モデルの交換>


 

●[週刊花目付#002] 花と都の「問・感・応・答・返」 2020/11/03(火)

  #問感応答返 #免疫的自己 #自己と非自己 #フィードバック #半開複々環構造 #わからなさ

 

●[週刊花目付#013]「エッジ」に立つ 2021/05/25(火)

  #花Q林 #要約と連想 #察知 #アフォーダンス #花伝スコア #エッジ #メトリック #相似律 #マネージメント

 

●[週刊花目付#16] ガラスのアンジェリーナ 2021/06/15(火)

  #モデリング #フラジリティ #仮留め #エディティング・モデルの交換 #自己変容 #英雄マザー #環世界間移動能力 #フィードバック #編集的自己 #一期一会 #場の編集

 

●[週間花目付#19] 自律か、自動か 2021/07/08(木)

 #エディティング・モデルの交換 #情報生成 #編集的自己 #アウェアネス #受容 #編集的自由 #問感応答返 #場の編集

 

●[週刊花目付#20] 編集的振動状態を励起せよ 2021/10/26(火)

 #ISIS版セイバーメトリクス #共読 #エディティング・モデルの交換 #メイキング #インタースコア #エディティング・ベロシティ #問感応答返

 

●[週間花目付#22] イシス的贈与論(序) 2021/11/09(火)

 #花Q林 #わからなさ #贈与論 #アウェアネス #問感応答返 #半開複々環構造 #情報代謝 #エディティング・キャラクター #編集的自己

 

●[週刊花目付#24]「ネガティブ・ケイパビリティ」と花伝式目 2021/11/23(火)

 #ネガティブ・ケイパビリティ #エディティング・ベロシティ #環世界間移動能力 #無条件の積極的関心 #問感応答返 #半開複々環構造

 


 第2章  編集的対話は <受容・評価・問い>で運んでいく


 

 

●[週刊花目付#003] 来訪神とカリントウ 2020/11/10(火)

 #受容 #評価 #問い #相互編集 #一期一会 #花伝スコア #編集八段錦 #花Q林


●[週間花目付#010] 「3M2.0」の可能性 2021/01/12(火)

 #ラジオエディスト #メディア #3M #エディティング・モデルの交換 #情報伝達 #情報生成 #インタースコア #好奇心 #ハッキング #エディティング・キャラクター #編集的自己 #アジール #わからなさ

 

●[週間花目付#015]「ムキミの知」 2021/06/08(火)

 #モデリング #未知 #アウェアネス #インタースコア #マネージメント #エディティング・ベロシティ #エッジ #受容 #メトリック

 

●[週間花目付#21] めくるめく稽古条々 2021/11/02(火)

 #ゲート・エディティング #イリンクス #わからなさ #フィードバック #指南の3要素 #インタースコア #モデリング

●[週刊花目付#25]「評価」のアフォーダンス  2021/11/30(火)
 #花Q林 #評価 #アウェアネス #問感応答返 #贈与論 #メディア #アフォーダンス #ISIS版セイバーメトリクス

 

 


 第3章 想像力を解き放つ力 <メトリクス>


 

●[週刊花目付#004] ホドがある。 2020/11/17(火)

   #ISIS版セイバーメトリクス #メトリック #エディティング・キャラクター #ユニークネス #描出 #メイキング

 

●[週刊花目付#007] 走れ!3A!! 2020/12/08(火)

   #編集的自己 #離見の見 #書く/読む #パロディア #メトリック #想像力 #3A

 

●[週刊花目付#012] バケツの中のポニョ 2021/05/14(金)
 #英雄マザー #モデリング #BPT #アフォーダンス #アブダクション #イメージメント #ないものフィルター #マネージメント #フィードバック #暗黙知

●[週刊花目付#17] フラジャイルで不定形なもの  2021/06/22(火)

   #フラジリティ #相互編集 #礼節 #再生 #エディティング・モデルの交換 #ISIS版セイバーメトリクス #メトリック

 

●[週刊花目付#23] 編集メトリック条々 2021/11/16(火)

   #フィードバック #半開複々環構造 #自己組織化 #メトリック #アーティキュレーション #編集的自己 #相似律 #メディア #ゲート・エディティング
 【movie】編集メトリック条々 

 

 


 第4章 自他を共にしてこそ<イメージメント・マネージメント>


 

●[週刊花目付#005]「座学」のカマエ 2020/11/24(火)

  #場の編集 #イメージメント #マネージメント #データとカプタ #編集的自己 #エディティング・キャラクター #編集可能性 #もてなし/ふるまい/しつらい #アブダクション #アフォーダンス #フィードバック

 

●[週間花目付#009]エンシオスの神 2020/12/21(月)

  #指南編集トレーニングキャンプ #編集的自己 #編集八段錦 #別様の可能性 #エディティング・キャラクター #遊び #情報生命


●[週間花目付#014]「冒険」とは 2021/06/01(火)

 #不足 #対話 #遊び #花Q林 #エディティング・ベロシティ #冒険 #オートポイエーシス #フィードバック #別様の可能性 #メトリック #マネージメント #問い #評価

 

●[週刊花目付#18] 「ネガティブ・ケイパビリティ」 2021/07/01(木)

  #ネガティブ・ケイパビリティ #わからなさ #メトリック #もてなし/ふるまい/しつらい #指南トレーニングキャンプ #ISIS版セイバーメトリクス

●[週刊花目付#28]「問い」をメイクする 2021/12/21(火)

  #問い #場の編集 #give/find/make #問感応答返 #自己編集性 #対話 #指南トレーニングキャンプ #編集的自己

 


 第5章 つぎつぎ、なりゆく「型と代」 <師範代のゲームメイキング>


 

●[週刊花目付#001] 解釈の冒険、あるいは表象の発見  2020/10/27(火)

  #故実十七段 #型の守破離 #継承 #参照模型

 

●[週刊花目付#006] 父の肖像・母の面影  2020/12/01(火)

  #メイキング #世阿弥 #エディティング・キャラクター #受容 #評価 #英雄マザー #問感応答返 #自己編集性 #型と代

 

●[週刊花目付#008]「創」とアジール 2020/12/15(火)

 #編集的自己 #エディティング・キャラクター #超回復 #フィードバック #不足 #アジール #アクチュアリティ #ISIS版セイバーメトリクス #英雄マザー

 

●[週刊花目付#011]「生きているもの」を「生きたまま」扱う技能 2021/05/14(金) 

  #環世界間移動能力 #略図的原型 #3A #守破離 #自己編集性 #方法日本 #面影

●[週刊花目付#26]「感・応」コンシャス 2021/12/07(火)

  #ISIS版セイバーメトリクス #セレンディピティ #英雄マザー #問感応答返 #フラジリティ #ネガティブ・ケイパビリティ #共読 #編集的自己 #環世界間移動能力 #インタースコア

 

●[週刊花目付#27] 継がれ行くもの 2021/12/14(火)

 #指南トレーニングキャンプ #継承 #模倣 #相互編集 #別様の可能性

  • 田中晶子

    徹夜明けのスタッフに味噌汁を、停滞した会議に和菓子を。そこにはいつも微笑むイシス一やさしい花伝所長の姿があった。太極拳に義太夫と編集道と稽古道の精進に余念がない。

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コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。