【参丞EEL便#029】科学道100冊2022をリリース

2022/11/23(水)18:59
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2022年は、「情報の世紀」「光を追いかけて」「科学史タイムトラベル」の3テーマです。

 

日本で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所と本の可能性を追求する編集工学研究所による「科学道100冊」2022年版を、11月18日に発表した。EELの仁禮が今年もチーフエディターとして企画制作をリードし(制作プロセスはこちらもご覧いただきたい)、3テーマ・50冊の選定は、各テーマ5名ずつ理研の研究者が選書アドバイザーを担った。(残りの50冊は、2019年に選出して以来定番の科学道クラッシクスだ)

DNAから身振りや音符まで、コードから情報史を捉えなおす『大図鑑 コードの秘密』ポール・ルンダ(校長が帯文をよせた)や、光子を被告人に見立てた法廷劇で量子力学の不思議を説く『鏡の中の物理学』朝永振一郎など、情報と光と科学史の見方や正体に迫ろうとする意欲的なテーマとなっている。

今年も全国500カ所以上の図書館や書店でフェアを展開予定だ。

太陽エネルギーが、風や石炭とインタースコアし電気になって、私たちの部屋の照らすまでを描いた『わたしのひかり』モリー・バングといった手に取りやすい絵本や漫画から入り、ぜひ50タイトルが示す科学の見方に接していただきたい。

 

[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]

//つづく//

  • 橋本英人

    函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。

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コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。