赤坂から、赤堤へ。
2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。
そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関連の書籍群が、常に1Fの本楼から3Fまでの本棚にマッピング・配架されている。壁沿いにも、玄関や踊り場にも立ち並ぶ書棚は、日々変化し更新されている。(が、もちろんあまり使われないところには埃や煤もたまる)
「本どこ屋」では、たとえば詩歌エリア、明治維新から昭和史のエリア、もしくは神仏習合と民俗学系のエリアまで、スタッフが(早い者勝ちで!)担当する本棚エリアを決める。担当エリアの歴史的な流れやキートピック・キーブック・キーパーソン、それらの関係性をインプットしつつ、本や本棚の埃を払って、新刊も入った本棚の意味を並び替え、ダブり本を見つけては取り出して書棚を整える。イシスの指導陣ボランティアの方も混ざる。
これは、一年を締めくくる本棚煤払い行事であり、同時に、知のインデックスを身体的に読みなおす機会にもなる。本どこ屋の「どこ」とは「床」のことだが、読みが加速する火床に気づいたり、思わぬ知の苗床に出くわしたりする愉快な機会になる。
今年も越年忘年の前に、皆さんにも各職場や書斎の本どこ屋をご一緒いただいて、身体的共読時間をともに過ごしたい。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
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