鋸鍬形、犀兜、鰹象虫、乳母玉虫、碁石蜆、姫蛇の目、漣雀、星枯葉、舞妓虎蛾、雛鯱、韋駄天茶立、鶏冠軍配、鶉亀虫。見立ては、得体の知れないものたちを、手近に引き寄せたり、風雅に遊ばせることの糸口にもなる。
【田中優子の「酒上夕書斎」】はご存じだろうか?5月に優子学長がはじめた読書系YouTube LIVEで、毎月とっておきの1冊を紹介している。だがオープニングが独特。「まずはひと口飲みますね」と言って赤ワインをゴクリ。本より先にワインが登場する。大好きなワイン片手に本を読む優子流に、視聴者は「今日は何を読むのか?」に加え「今日も飲むのか?」も気になって仕方がない。
場は変わり、9月20日の感門之盟。55[守]を卒門した学衆たちを前にスピーチする18名の師範代のなかに田中優子師範代の姿もあった。スピーチを終えるや、教室の学衆たちがわあっと駆け寄り花束を手渡した。感門之盟ならではの感動的なワンシーンだ。ただ何かが違う。近づいてよく見ると、花束の横にもうひとつのプレゼントが添えられていた。
赤ワインである。優子師範代の好みを知り尽くした学衆たちの粋な計らいだ。しかもラベルには「酒上夕魚斎教室(さけのうえのゆうぎょさい)」の名。彼女の敬愛する江戸の浮世絵師・恋川春町の狂歌名「酒上不埒(さけのうえのふらち)」に肖った世界にひとつの銘柄だ。
さて、次回の【田中優子の「酒上夕書斎」】でこの赤ワインは登場するのか。あなたも好きな1杯を片手に”不埒な読書”を。編集が加速するはずだ。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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