この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

松岡正剛校長の著書『編集手本』(EDITHON)が第53回造本装幀コンクールで日本印刷産業連合会会長賞を受賞したことを記念し、銀座「森岡書店」にて『編集手本』特別展覧会を開催する。期間は2019年9月24日(火)から29日(日)までの6日間。
第53回造本装幀コンクールは「造本装幀にたずさわる人々の成果を総合的に評価する出版業界で唯一の賞」といわれ、本書の企画・編集には編集工学研究所でかつて校長に師事した櫛田理氏が担当。受賞にあたり、一枚の大きな紙に切れ目を入れ、継ぎ目なく折り畳む特別な装幀が高く評価された。赤入れや加筆修正を含めた直筆原稿やドローイング、セイゴオマーキングなど、「本はノートである」という校長の読書論をまるごと体現した、手さばき・手づかい・手ざわりにあふれた一冊である。
糊や針金を用いず、1枚の紙のみでつくられた特別な装幀
会場の森岡書店は、「一冊の本を売る」というユニークなコンセプトの書店だ。なお、特別展では校長による書の展示の他、『編集手本[特装版]』や「連扇(2本セット)」の限定販売も行う。
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展示名:松岡正剛の編集手本
主 催:EDITHON(エジソン)
協 力:松岡正剛事務所
場 所:森岡書店 銀座店(東京都中央区銀座1-28-15)
期 間:2019年9月24日(火)〜29日(日)13:00-20:00
問合せ:info@edithon.jp
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上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。