余白の感問応答返(編集かあさん家)【77感門】

2021/09/06(月)21:21
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 千夜千冊クイズには参った。
 前の日に千夜千冊エディションを積み上げて、クイズ対策していたにもかわらず、予想以上のテンポと擬きっぷりにに緊張し、早々に脱落してしまった。
 脱落した後もしつこく回答をする。「これは、脳と心の編集学校」。正解したらしたで長女(8)に「なんでさっき、まちがえたの」と容赦ない。
 子どもを直接褒めて育てるよりも、家庭の外のすごい人を一緒にリスペクトするスタイルを是としてきたが、やっぱりいいところを見せたかった。ふがいないかあさんと対比して粘る井ノ上シーザーさんの姿が光る。初代クイズ王は学匠の鈴木康代さん。ズームでこれほど拍手したのは初めてだった。手をたたきながら用意と卒意の足りなさを痛感し、明日から読みを変える決意を新たにする。
 2日目の校長校話は、イヤホンをして、タブロイドの余白にキーノートしながら聞いた。
 最初はナゾトレ本を写して問題を出しにきたりしていたが、「後で」といううちに、動画やマンガ、工作などそれぞれの遊びに散っていく。

 ふだんより遅い夕食をとりながら新教室名発表を家族で見る。
 ドラムとシンセサイザーの生演奏とともに、日本各地からの新師範代が登壇していく。「あれ、奈良はもうすっかり暗いのに明るい。不思議」と気づいたことをそのまま口に出すと、長男が「もしかしたら石垣島ぐらい?」 はたして石垣島在住の大濱朋子師範代だった。と思えば、オーストラリアからの登壇もある。

「好き」のこもった教室名に沸く


 ハイブリッドな感門之盟は、子どもたち世代へのオンラインイベントのモデル、別の「学校」モデルの伝播にもなっていると感じる。私だけではとうてい伝えられない、音楽の「本来」を梅澤光由師範と浅羽登志也冊師が見せてくれる。これも「託す」の一つかもしれない。

 

全員を「えこひいき」する生演奏

 

 自己は「事件」がないかぎり生まれないという校長校話を反芻する。考えながら、子どもたちに、そういえば開講日にラオス出張が重なった人がいたんだってという話をする。
 長男から「ラオスの首都ってどこだったかな」と問いが飛び出す。
 ドキリ。思い浮かばない。小学校用と中学校用の社会科の地図帳を取り出し、めいめい開く。「ビエンチャンだ。タイとの国境にすごく近い」。
 海に面してないということはわかったが、学校の地図帳にはほとんどラオスの情報が無い。ネットで人口や産業を検索し始める。
 「701万人。社会主義国っぽい」
 そうえいば、知り合いでラオスに観光旅行した人は、すごくおだかやかないい国だって言ってたけど、政治体制については調べたことなかったと答える。外務省のサイトやウィキペディアを見ると以前は王国で、フランス領だった。第二次世界大戦中は日本軍の進駐もあったようだ。ネット上ではなかなか確かな情報を得にくいということもわかる。

ラオス、石垣島、東京
『新しい地図帳』(東京書籍)より


 どんなところにでもお題の芽、「断点」がある。子どもたちにとっては、環境にインタースコアの余地をつくってことが「断然」にしていく第一歩だろうと思う。
   途中でなんどか止まっていたが、2日かけて長女の「ばんぐみひょう」も完成していた。

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

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