私の28[花]キャンプは、吉阪隆正の建築思想【不連続統一体】の体験だった。場面ごとに異なる空間が次々と立ち現われてくる。よく分からないままに一周すると、ようやく建物を貫く原理のようなものが見えてくる。この「遅れて」やってくる全体性がたまらなかった。

あのオークションが帰ってきた。本楼にある校長松岡正剛の蔵書を、オークション形式で競り落とす「落冊市」である。
リアル開催の感門之盟では名物コーナーであったが、講座合同開催やオンライン開催になってしばらく休止が余儀なくされていた。が、そんな眠れるお宝コーナーを奴らが放っておくはずがない。そう、「オツ千」コンビでイシスを席巻する林頭吉村堅樹とデザイナー穂積晴明である。彼らが軽口を叩き、本楼の蔵書を高値で売りつける。この蔵書には、校長松岡が直々にサインや落書きをした正真正銘のお宝だ。
▲コーナー開始曲はもちろん、podcastでおなじみ「吉村のテーマ」
初日、2回開催された落冊市。すべて3冊セット。値段はすべてZoomチャットに書き込む。初回オークションにかけられた「小僧セレクション」は出足こそ鈍ったものの、結局5000円にて落札。第2回オークションでは、第一投で5000円を吹っかけた48[守]師範代佐藤裕子に、オーストラリアから値札をかかげた48[守]師範代輪島良子で7100円競り勝った。同期師範代の仁義なき戦いである。(ちなみにこの価格は、送料も含まれているという。オーストラリアへの送料がいくらになるのか、学林局はまだ知らない)
▲初回オークションの一部。守学衆の健闘が目立った。
落冊市は、感門之盟2日目にも開かれる。残る品物は2セット。開催時間は、コーナー間の休憩中。回を追うごとに落札価格が上昇しているので、はやめの参加が勝利への近道。「あの師範代、意外と強気ね!」「ならば私も」学衆・師範代・師範間の心理戦を揺さぶるもよし。教室単位で落札計画を立て、オークションを翻弄するもよし。オートポイエーシスされてゆく価格の伸び幅を見届けよ。
▼本棚劇場横の狭いスペースで、坊主吉村・小僧穂積が売りさばく。右手に積まれているのが例の品物。本を束ねるのは、松丸本舗の懐かしグッズ。
▼オークションにかけられる全5セットすべて、吉村と穂積のセレクション。穂積がもつのはデザイン系の本を集めた「小僧セレクション」
▼真ん中の青いゆがんだ丸が見えるだろうか。これは校長松岡が感門前日に付け足した遊びこころ。
▼『ダスト』には赤いダストを散らして。
▼もちろん読みのマーキングもある。多読の教科書になること間違いない。
2日目にどんな本が出品されるのか。
校長松岡は、初日に言った。「今回の感門で起こること、なにひとつ見逃すな」 落冊市もそのひとつである。
写真:上杉公志(吉村・穂積の2ショット)、梅澤奈央(その他)
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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2025-07-03
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2025-07-02
連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。