木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。
多読アレゴリアで最も得体の知れないであろう、OUTLYING CLUB。私たちには標語がある。
「誰も見なくてもいい」くらいに覚悟を決め、ほんとうに深いものに向かう。
私たちは、予定調和に流れず疑問をぶつけ合う。面白いかつまらないか。役割と責任。効率と倫理。癒しと現実。破壊と生成。武邑光裕慧匠からのアドバイスにも、その姿勢は変わらなかった。
異なる見解を交わす摩擦の中で、創意と洞察とが生成される。一年間、互いの立場や速度の違いを抱えながら、それでも対話を続けた。私達はそれぞれのテーマ、それぞれの不足を見出してきた。
パネル展示では各々の歩みを共通の型の中で表現する。来場者の受け止めに遠慮せず、全力で現在地を照らし出す。
展示と並行して、私は個人で生成AIメディアを制作した。
[https://chatgpt.com/g/g-68d5d12ac0c081919363940f224558cc-olchuronhutoji-sandbox]
OLCプロンプトと題したこれらのプロンプト群には、他人からどう言われても「譲れない、私の一線」が埋め込まれている。それらは、CLUB活動の中で出会った不足から生まれたものだ。
・生成AIは作品を作る道具ではない。
・ファシリテーターには、矜持を持って場を作ってほしい。
・近代を築いた科学や歴史の価値を、皆にもっと感じてほしい。
・他人とは比べられない、自分の遊びと物語とが、私を支える。
武邑慧匠は「世界を編集するとは、ひとりひとりがメディアとなること」と述べている。紙の書物『生成AIを遊ぶ』を世に問うことをもって、私のCLUB活動の集大成とする。
──別典祭で、
OUTLYING CLUBはメディアと化す。
OUTLYING CLUB 福田とおる
日程:2025年11月23日(日)・24日(月・祝)
会場:編集工学研究所ブックサロンスペース「本楼」
OUTLYING CLUB
メディア美学者・武邑光裕氏の監修するクラブが誕生。アンドリュー・マーシャルのOUTLYINGアプローチを手すりに、常識、主流派の見方を疑い、異端者の思考を追求する。
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秋のOUTLYING CLUBはリアルな交わし合いで幕を開ける。少人数のメンバーで武邑光裕慧匠を囲む贅沢な時間は、異端者にスイッチするためのイニシエーション。型破りな思考のシャワーを浴びて、メンバーはOUTLYINGアプ […]
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コメント
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2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。
2025-11-04
56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
2025-10-29
中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。