近江ARS『別日本で、いい。』ブックフェア@大垣書店

2025/05/02(金)08:20
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 「近江ARS TOKYO「別日本があったって、いい。――仏はどこに、おわします?」からちょうど一年、近江ARSが、書店を舞台にその姿をあらわす。大垣書店の京滋3店舗で近江ARS『別日本で、いい。』ブックフェアが開催される。

 

大垣書店 近江ARS『別日本で、いい。』ブックフェア

2025年4月29日から6月1日まで


① 大垣書店 イオンモールKYOTO店
  京都市南区八条通西洞院下ル イオンモールKYOTO Kaede館2F
② 大垣書店 烏丸三条店
  京都市中京区烏丸通三条上ル御倉町85-1 KDX烏丸ビル1F
③ 大垣書店 フォレオ大津一里山店
  大津市一里山7丁目1-1 フォレオ大津一里山 1F
 ※会場では、近江ARS TOKYOのダイジェスト映像(約10分)を上映します。

 

「別日本で、いい」「21世紀の節会」「仏教は見ている」「近江紀」の4つのカテゴリー沿って約200冊の書籍が並ぶ。近江ARSのメンバーが、キーブックにメッセージを寄せた。寿長生の郷で菓子づくりを営む叶 匠壽庵代表の芝田冬樹は、『古来の年中行事の起こり』(八條忠基)に「古来の年中行事の起こりは、国の平穏に感謝する日本人の智恵と編集力にある」と。寺の運営と仏行とお茶をこなす三井寺執事の福家俊孝は、『マイ仏教』(みうらじゅん)に「違う角度から“仏教”を観ているところに、納得させられる。この注釈を私たち仏教者こそ見習わなくてはいけない」他。近江から新たな日本のスタイルをつくる多彩な面々の注意のカーソルと言葉とが書棚を彩る。

 

 一年前、近江ARS TOKYOは、暗がりに浮んだ松岡の「別日本」へのメッセージで開幕した。「いま、別日本が求められている。いろいろな別所や別人や別格が求められている。いないいないばあを見たい」。以来、近江ARSの活動は第2フェーズに入った。昨秋は落語家の柳家花緑師匠をゲストに迎えて第2回「龍門節会」を開催。年末に第一期を終えた「還生の会」は、6月15日に第二期を開幕する。4月中旬には、新企画「旅考長濱」の初回「春の曳山安藤家席」を実現した。さらなる企ても、目下、仕込み中である。

 

 

 春時雨の降る4月下旬、近江ARSは、大垣書店の方々の協力と百間の中村碧のディレクションでフェア棚を設えた。ポスター、ポップ、リーフレット、本、映像、そして、書棚。メディアをまたいだ「別日本」のあらわしは、ひと月限りのいないいないばあだ。

 

イオンモールKYOTO店

烏丸三条店

フォレオ大津一里山店

 

 

★近江ARSについてはこちらも参照ください★

  近江ARS公式サイト

  近江ARS公式Youtube

 

★還生の会Ⅱの申し込み受付中です★

  【還生の会Ⅱ-1】「心はどこへ」

  日時:6月15日(日)13時30分~18時30分頃

  場所:三井寺(園城寺)
      滋賀県大津市園城寺町246 園城寺

  出演:末木文美士 (未来哲学研究所所長)
     福家俊彦  (三井寺長吏)

     鷲尾龍華  (石山寺座主)
     福家俊孝  (三井寺執事)
     中山雅文  (中山倉庫代表)  
       和泉佳奈子 (百間代表) ほか
  申し込み:こちらからお願いいたします。

 

 

 

 

  • 阿曽祐子

    編集的先達:小熊英二。ふわふわと漂うようなつかみどころのなさと骨太の行動力と冒険心。相矛盾する異星人ぽさは5つの小中に通った少女時代に培われた。今も比叡山と空を眺めながら街を歩き回っているらしい。 「阿曽祐子の編集力チェック」受付中 https://qe.isis.ne.jp/index/aso

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025