飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。

アイキャッチ画像:09.11 第79回感門之盟「イシス題バーシティ」Day2
エディスト・クロニクル2022番外編として、松岡校長インタビュー10shotをお届けします。
2022年後半のISISイベントでは、校長単独講義に代わり、編集学校メンバーによるインタビュー形式が続く。総勢20名弱の師範、師範代、学衆たちがそれぞれに課題意識を持って、校長に質問を投げかけていった。
09.11 第79回感門之盟「イシス題バーシティ」Day2
まず、インタビューのお相手として白羽の矢が立ったのは、福田容子[破]番匠と松井路代冊師の二人だった。当日、福田は京都から、松井は奈良から豪徳寺本楼に駆けつけた。長きにわたりポリロールで編集学校に関わり、講座やプロジェクトでお題づくりに力を尽くしてきた両者は、編集学校とお題のシステムについて問いを立てる。
当日の様子については、現在50[守]でみちのく吉里吉里教室の林愛師範代の記事Q→Eの波打ち際―校長校話・お題問答編【79感門】をあわせて読まれたい。
ヒトの知覚から教室名ネーミングに至るまで、俯瞰的な問いから編集学校の仕組みについてわけいっていく。(写真上:松井路代冊師、写真下:福田容子番匠)
10.01 50[守]、49[破]伝習座1
10.22 38[花]入伝式
10月に行われた50[守]・49[破]伝習座と38[花]入伝式でのインタビューでは、奇遇にも[守]の用法1で出題される「たくさんのわたし」について切り込んでいく場面があった。「たくさんのわたし」は名物お題の1つでもあるが、この時期に講座リーダーから問題意識として持ち出されるということは今の時代「たくさんのわたし」が発動されにくいという社会的傾向を汲んでのことかもしれない。
「わかるとかわるは同じである。変わらなきゃわからないし、わからなきゃ変わらない。そこが根底の根底にある。わかるとかわるはNearly equalだから、いろんなイコールがそこにある。自分一人が情報を分けて集めているのではなく、変わるがわるその都度自分が変化していくのを感じてもらうのが大事」
(写真中央:鈴木康代[守]学匠、右:原田淳子[破]学匠)
「みんな〈実〉の私を求めすぎているし、〈実〉に囚われすぎている。〈実〉は〈実〉になっていないと結論づけたほうがいい」
W花目付と校長の問答の続きは、[週刊花目付#38] 継承は遅延する。を読んでほしい。
11.19 第80回感門之盟 15[離]退院式
15[離]退院式では「編集工学篇」と「世界読書篇」の二部構成で、新旧の千離衆が入れ替わり立ち替わり登壇した。門外不出の「文巻」をからだに通した離学衆からは、編集工学や世界読書のさらに奥と底を問うようなQが連打された。
梅澤光由右筆が進行を務めた「編集工学篇」(写真上)、中村まさとし千離衆が場を取り仕切った「世界読書篇」(写真下)。編集工学の求道者、世界読書家として立つべく、一人ひとりから発せられる真摯な課題や問題に対して火元校長として丁寧に応じていった。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
写真家研究とモンタージュで写真を深める【倶楽部撮家:25秋募集】
倶楽部撮家 第2期生募集! 多読アレゴリア「倶楽部撮家」の第2期目は、「写真家研究」と「モンタージュ」を楽しみます。第1期目の夏シーズンは、自身の幼な心を起点にして、まずはシャッターを押してみることを試みてきました。次 […]
こまつ座「父と暮せば」をイシス編集学校の師範が観てみました 第2弾
こまつ座「戦後”命”の三部作」の第一弾「父と暮せば」(井上ひさし作/鵜山仁演出)が現在公演中です。時空を超えて言葉を交わし合う父と娘の物語。こまつ座がライフワークとして大切な人をなくしたすべての […]
こまつ座「戦後”命”の三部作」の第一弾「父と暮せば」(井上ひさし作/鵜山仁演出)が現在公演中です。時空を超えて言葉を交わし合う父と娘の物語。こまつ座がライフワークとして大切な人をなくしたすべての […]
【本楼紹介】世界一大きな躙り口?井戸のような書棚空間「井寸房」
松岡正剛の蔵書を配架しているゴートクジISIS館内「本楼」(東京都世田谷区)には約2万冊の日本に関する本が並んでいます。普段、一般公開されていないこの「本楼」の一部を特別にYouTubeイシスチャンネルでご紹介します。 […]
急報!鈴木寛からの事前お題発表【6/20開催『情報の歴史21』を読む ISIS FESTA SP】
知の最前線で活躍するプロフェッショナルたちは、『情報の歴史21』をどう読んでいるのか?人類誕生から人工知能まで、人間観をゆさぶった認知革命の歴史を『情歴21』と共に駆け抜ける!ゲストは鈴木寛さんです。 急報 […]
コメント
1~3件/3件
2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。
2025-08-14
戦争を語るのはたしかにムズイ。LEGEND50の作家では、水木しげる、松本零士、かわぐちかいじ、安彦良和などが戦争をガッツリ語った作品を描いていた。
しかしマンガならではのやり方で、意外な角度から戦争を語った作品がある。
いしいひさいち『鏡の国の戦争』
戦争マンガの最極北にして最高峰。しかもそれがギャグマンガなのである。いしいひさいち恐るべし。
2025-08-12
超大型巨人に変態したり、背中に千夜をしょってみたり、菩薩になってアルカイックスマイルを決めてみたり。
たくさんのあなたが一千万の涼風になって吹きわたる。お釈迦さまやプラトンや、世阿弥たちと肩組みながら。