編集部selection:今月の推しキジ、発表! [2022年6月]

2022/06/11(土)10:30
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毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーひとりひとりが厳選した、見逃せない ”今月の推しキジ” を発表です!

今月は3人のゲストメンバーが推しキジを選定してくださいました。遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」2022年6月号、お楽しみください。

 

◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代 + 山内貴暉(48[破] 点閃クォート教室 学衆)、加藤 陽康(48[破] MOT勿体教室 学衆)、網口渓太 師範

 

 

 

    • 1  網口’s 推しキジ! 
    •      ─ 子の視点でPick!

 

⦿14離はなぜ終わらないのか-面影の母から永遠のQを授かる

 

表沙汰や退院式のリアル参加が叶わなかった残念を拝見していましたので、14離のみなさんと太田眞千代母匠が、同じ場を共有されている姿をみることができて、とても嬉しかったです。

母匠をお招きする日までの様子を想像しつつ、みなさんのしつらえ、もてなし、ふるまいが、離論と読書系統樹から編集的自己を読み取り、それぞれの本気を引き出す1冊を照合してしまう母匠の編集力に火を点けたようにも、私には思えました。「本の日」の一期一会とはなんと粋なことでしょうか! 

゛母匠を囲みたい”という思いから始まったこの場所この時間は、中世の茶寄合や連歌会を連想させます。偶然を必然に、方法の会所と同朋衆まで14離は作っていくのではないか、12離を退院した私もただならぬ刺激を頂きました。

いきいきとしたたくさんのQを皮切りに、母匠は世代も性別もこえて、いつでも私たち編集の子の母であることを、再確認させてくれた石黒さんの記事を推します! ── 網口渓太

マツコ
マツコ
14離の継続的な学びの姿が垣間見れ、太田眞千代母匠のお姿もうれしい良記事ですね。おりしも今日、6月11日は15離の開講日なり。離を経験した千離衆にとっても、心ざわめく1日ではないでしょうか。ところで網口さんは継続して千夜千冊をノートに書き写すなどして編集工学を深めていらっしゃるとのこと。網口さんの、“世界読書奥義伝[離]”にそそぐ熱情を感じる推しコメントもいいですね~

 

 

マツコ’s plus One!🐶

太田眞千代母匠の面影@エディストを探せ!

 

多読ほんほんリレー02 ¶2001年¶ 冊師◎吉野陽子

ISIS 20周年師範代リレー[第9期土井内英子 2期連続で走り抜ける]

校長校話「EditJapan2020」(2/5)

2  上杉’s 推しキジ! uesugi
      ─ 応援ファンファーレでPick!

 

⦿37[花] 花林頭・阿久津がゆく、アートとデザインのAIDA

「背中を見せる」「プロアクティブである」といった言葉を体現している例は? といま問われたら、37[花]から始まった[ISIS花伝所]チームと真っ先にこたえたい。

37[花]では、現役の師範メンバーが道場での指導とともに、稽古模様をエディスト上で毎週記事化している。今回取りあげた記事では、平野しのぶ錬成師範が、阿久津健錬成師範の「花林頭」ロールとしての振る舞いに注意のカーソルをあてた。

阿久津師範は花伝所記事のアイキャッチも手掛けるデザイナーでもあり、ポリロールを体現する一人でもある。

37[花]で稽古をする入伝生は、記事内容そのものだけでなく、このような花伝所の記事制作体制やそのプロセスからも「師範たちの背中」を感じているに違いない。──上杉 公志

 

マツコ’s plus One!🐕

 

イシス編集学校 [ISIS花伝所]チームの記事一覧が、こちら

活発に順調にEdist連載中!

  • 山内’s 推しキジ! 
          竹岩師範代教室、いち学衆の視点でPick!

 

⦿vol.01嚥下【言語聴覚士ことばのさんぽ帖】

⦿vol02.咀嚼【言語聴覚士ことばのさんぽ帖】

 

僕は48守はいから官界教室の学衆だった。竹岩直子師範代と中原洋子師範で綾なされたその学舎はハイキングに出かけたような雰囲気だった。癒しと痺れがワクワクを連れて次々にやってくるのだ。脇見やよそ見に横溢する小さな発見が行き交い、自分でも予期しないところに隠れた方法がそっと掬われていく。そんな指南をしていただいたことがとても記憶に残っている。

「言語聴覚士のさんぽ帖」を開く前に(すでに開いたことのある人であっても)是非見ていただきたい文がある。なぜなら、これこそが竹岩直子師範代の根底から出来した囁きであり、本シリーズの背景にあるしたたかな志のように僕は感じるからだ。以下は、はいから官界教室とその勧学会のラウンジの冒頭に掲げられた文章の一部引用である。

<教室>

「生きるという旅は、編集の連続。

往き道に正解はなく、ただ軌跡があるだけ。

目を懲らせば、そこに方法の花が揺れている。

方法を手にすれば、世界はどこまでも伸びてゆく。」

<勧学会>

「寄り道 抜け道 散歩道

旅するうちに うまれたの

膨らみ 逸し 長じては

こぼれて あふれて 沁みついた

そんなものたち いらっしゃい

心を拓いて 瞳に綴じて

わたしとあなたで結びましょう」

 

vol.01では燕が飛び入ってきて嚥下、vol.02では蝸牛を眼差して咀嚼。コトバの街角探訪はどこに向かっていくのか。方法を手にした才女が世界の片隅から私の深奥へと華麗に駆け抜ける。──山内 貴暉

 

マツコ
マツコ
 来ましたね~!Vol01を開いた瞬間に、“あー、うつくしい”とTwitterでつぶやいてしまったマツコです。山内さんは竹岩直子師範代の学衆で幸せでしたね、と言いたい。その山内さんご自身の推しコメントも流麗です~!

吉村林頭’s 推しキジ! 

  •      ─ イシスの今をPick!

⦿vol.01嚥下【言語聴覚士ことばのさんぽ帖】

これまで何人もの素晴らしいエディストライターのデビューを見てきた。堀江くんは企画は難産だったが、スタートしてからは尻上がりに調子を上げた。小倉さんは対話をエンジンに、ペースをモチベーションに、常に研鑽を怠らなかった。梅ちゃんはミッション意識が高く、講座に伴走して速度と諧謔のジャーナリズムの型をつくった。

そして、竹岩直子のデビューなのである。初稿から構成に破綻なく、言葉も磨かれていた。それでいて瑞々しく凛々しく、読むごとに居住まいを正したくなる。将来恐るべし。イシスの須賀敦子になってほしい。──吉村 堅樹

 

マツコ
マツコ
よっ!竹岩!! こちらも来ました~、今月は吉村林頭、竹岩師範代オシです~!!!! 林頭に、居住まいを正したくさせる”さんぽ帖”、うぅーーーすごい。 マツコはといえば、言語聴覚士というご職業と編集工学の重なりが大きいことを発見できて♥です

 

加藤’s 推しキジ! 

  •      ─ 編集学校 不登校組視点でPick!
  •  

⦿ [週刊花目付#29] 虚にいて実を行うべし

切実というものに振り回されて、わからなさに耐えられなくなる時。せっかく問が与えられたのに感が消え入りそうな時。虚をすっかり喪った日々でも、たくさんのわたしを用意できるのでしょうか。弱い感を働かせながらIF/THEN,AND/OR/NOTを広げたら、遊は還ってきますか。──加藤 陽康

 

マツコ
マツコ
“hereとthereのみならずanotherへのイメージメントを起こさなくてはならない” 。 深谷花目付の記事にある校長の言葉、プレゼントしたくなりました。与えられた問に答えるのではなく、anotherへイメージをひろげながら、自ら今のご自身への優しい問を起こしてみてはいかがでしょう。考える余地をくださる深谷花目付の記事、毎回じっくりと味わいたくなりますね。

 

川野’s 推しキジ! 

  •      ─ 流麗な文章表現でPick!
  •  

⦿倉田方師の【二千光年の憂鬱】Chapter3 Roll over nihilism

を推します。

倉田さんの言葉って、オーラルでもリテラルでも、とにかく受けとる人間の気持ちをソワソワ、ザワザワさせる力が猛烈なんですよね。接するたびに「これは何なのだろう」とそそられてしまうのですが、ニヒリズムを超えることをテーマにしたこの一本は、倉田方師の「火」がいつも以上にダイレクトに感じられる記事です。ロッカーって、避けたり躱したりせずに、あくまでもコトにぶつかっていく真面目な人たちなのですね。広汎な知に根ざしながらも大上段から行かずに、抜き身の言葉で詰めてくるインファイトがシビれます。 ── 川野 貴志

 

マツコ
マツコ
離の指導陣たちの連載が始まり、その視点の多彩さに都度都度目を見開きっぱなしのマツコがいます!倉田方師の次男のYutaroさんが描くカバーイラストにもきゅん。注目しています★

 

マツコ’s plus One! いよいよ始まった離指導陣による新連載 🌊🌊🌊

 

🌊小坂真菜美 曳絃方師

 【セイゴオ・カイドクノート】①エルランゲン・プログラム事件 1

 【セイゴオ・カイドクノート】①エルランゲン・プログラム事件2

 

🌊倉田慎一 方師

 【二千光年の憂鬱】Chapter1 Remix the world

 【二千光年の憂鬱】Chapter2 Fight or Flight

 【二千光年の憂鬱】Chapter3 Roll over nihilism

 【二千光年の憂鬱】Chapter4 Anarchy in JP

 

🌊田母神顯二郎 方師

 ごあいさつ【境踏シアター】

 第一回(1)ほんとうの時間【境踏シアター】

 第一回(2)ほんとうの時間【境踏シアター】

 第一回(3)ほんとうの時間【境踏シアター】 

 

 

みなさんのオシは、見つかりましたか?

以上、2022年4月の記事から、エディスト編集部の”推しキジ” を厳選してお届けしました。

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

  • ISIS co-mission (イシス編集学校アドバイザリー・ボード)

    イシス・コミッション DO-SAY 2025年6月

    イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]

  • 田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)

      学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語 […]

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  • 水無月

    イシスDO-SAY 2025年6月

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025