『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
「子どもにこそ編集を!」
イシス編集学校の宿願をともにする編集かあさん(たまにとうさん)たちが、
「編集×子ども」「編集×子育て」を我が子を間近にした視点から語る。
子ども編集ワークの蔵出しから、子育てお悩みQ&Aまで。
子供たちの遊びを、海よりも広い心で受け止める方法の奮闘記。
次の質問を子どもにしてみると、どう答えるだろう。
「ブランコとすべりだい、どっちが たのしい?」
「おばけとゆうれい、どっちが こわい?」
松井路代編集かあさんには、日常の中で、【選択】(※)はかなり編集力をアップさせるんじゃないかという勘があった。
(※)選択…64編集技法の02(収集された情報から必要な一部を引き出す)
【選択】には、実は「今の自分の欲求やコンディションを自覚する」という手順が含まれている。ただ、もじもじと選べずにいる子どもの中では、そこでの方法的な滞留が起こっている可能性もある。大人は無意識に行っているが、本当は「選ぶ」って、経験も必要となる高度な技術なのだ。
そんな編集への理解に端を発して作られたのが、ワークショップ「しつもんをつくろう」だ。(開催は2018年12月2日)
子どもにはむずかしそうに感じるが、やらせてみると大いに盛り上がった。中には大人も答えるのに困る哲学的なしつもんも生まれた。
手順は以下の通り。
徐々に自由度を高めるようにしていくと、子どもたちはスムーズに発想の飛距離を上げていける。
また、しつもんが浮かばない場合のために、しつもんリストも準備した。
どっちが いたい?/ほしい?/ながい?/みじかい? など。
うまく発想が広がらないときのための手すりや逃げ道を用意しておくとよいのは、大人の編集ワークショップも同じだ。

できあがったしつもんは、子どもならではのアイデアがたくさん。
どっちがおおきい? →アンパンマン と ドラえもん
どっちがいらない? →とけい と そうじき
からだのなかでどっちがだしたい? →おしっこ と ち
どっちがくさい? →からすのおしっこ と ライオンのうんち
どっちがじかん? →3じ と とけい
最後にみんなの「しつもん」を読み上げた。
「おしりとうんち、どっちがきたない?」では、どっちもきたない!くさい!と大騒ぎの子どもたち。でも、比べてみると、実はおしりはくさくないよね、という結論に。
また、「アンパンマンとドラえもん、どっちがおおきい?」と聞くと、「アンパンマンは62センチやで」と、ウソかホントか具体的な数字がでてきた。
大人だったら「比べても意味がない」と判断するような選択肢もある。
そんな場合、編集かあさんはこう考える。
ふむふむ、今、この子の言葉の育ちはこのあたりなんだな、この子はこういう感覚、資質を持っているんだな、と。
そして、今後、どんな遊び、どんな言葉、どんな本と出会わせてあげるといいかな、と思案する。
つねに子どもは変化の過程にある。「元・子ども」である親が、こういうときには子どもの世界まで降りていけば済む話なのだ。
子どもの視座にまで降りていくと、親のほうにも新たな選択肢が見えてくる。編集の幸せな連鎖だ。
吉野陽子
編集的先達:今井むつみ。編集学校4期入門以来、ORIBE編集学校や奈良プロジェクト、[離]火元組、子ども編集学校、多読スペシャルなどイシスに携わりつづける。野嶋師範とならぶ編集的図解の女王。
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
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2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。