「北海道をラーメンにたとえるなら、子供から大人まで同時に楽しめるところ。でも行列はほとんどないし、インスタントじゃ味わえない!」。開館1周年を控える札幌市民交流プラザの一室に、参加者の「見立て」の声が響く。
エディットツアーが北海道で開催されるのは約4年ぶり。テーマは「はじまりの編集術 日常を違う視点からみるっしょ」。市長の肝入りでオープンした文化交流施設に9名の北海道民が参加した。
美幌町で農業に携わる男性は、苦悩の表情で「視点を動かすのは、なかなか難しい。そもそも固定化していることにすら気がつかないことの方が多いんです」。そこに、北海道大学で科学と市民をつなぐ活動をしている職員さんが返す。「でも全然違うものに見立てると動きますね。カニにたとえると、骨格の対称性は北海道にはないけど、中身の味は地域ごとに特色がある」。
北海道という情報を、ラーメン・カニ・ウルトラマンに無理やりでも見立ててみる。すると、意外なものとの関係を見つけようと、アタマも視点も動いていく。一人ひとりの見方が「型」によって言葉になる。自由になる。
「すごい、講師に変身できるじゃない。ウルトラマンより長い、3分以上! あんた、見直したわ」。函館から車で往復9時間。息子の勇姿を見に駆けつけた講師・橋本の母の視点も動かした。
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
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