ここで、メッセージの交換がされることはもう永久にない。
2019年9月16日、43[守]の18教室に次々と鍵がかけられた。街道の提灯が一つひとつ消えていくような寂しさには、イシス編集学校のベテラン指導陣とてなかなか慣れないものだ。
実はこの日、タイガー・リリー教室師範代の福澤美穂子はネットを離れていた。福澤が戻るころには、師範と師範代の楽屋ラウンジにも鍵がかかっている予定だ。代理で教室に施錠した師範の井ノ上裕二は、ラウンジで返事がもらえないことを見越しつつ、書簡をしたためるような心持ちで、タイ・バンコクから福澤にメッセージを書いた。
「福澤師範代の言葉では”ひたひた”、わたし風では”じわじわ”と来る教室でしたね」。
[守]のお題でもあるオノマトペで、今期の教室の充実を讃える。楽屋でのコミュニケーションも、やはりイシス風だ。
講座に区切りがついたこの時期は、「師範と師範代」というロールの関係が溶け出すときでもある。役目を果たしたエディストたちが「イシスの仲間」にほのぼのと還る。「コーチと受講者」という関係すら、いとも簡単に反転する編集学校にあって、祭りの後のエール交換は、新しい関係への楽しげな予感も孕んでいるのだ。
43[守]の提灯が消えても、シーザーとタイガー・リリーの物語は、またどこかで続編が綴られることだろう。
川野貴志
編集的先達:多和田葉子。語って名人。綴って達人。場に交わって別格の職人。軽妙かつ絶妙な編集術で、全講座、プロジェクトから引っ張りだこの「イシスの至宝」。野望は「国語で編集」から「編集で国語」への大転換。
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