マンガに限った話ではないが、「バカ」をめでる文化というものがある。
猪突猛進型の「バカ」が暴走するマンガといえば、この作品。市川マサ「バカビリーバー」。とにかく、あまりにもバカすぎて爽快。
https://yanmaga.jp/comics/
桜はピンク色の花から、緑色の葉へすっかり装いを変えた。時節が移ると変化がある。それは花伝所でも同じだ。前期をうけ、フィードバックをかけ、変化を起こす。
「エディスト練習会やります!」
花目付・林朝恵がボードメンバーに呼びかけた。前期では大きな式目改編があり、演習に注力するという方針であったため、花伝所指導陣によるエディスト記事が少なかった。しかしそれではいけない。校長・松岡正剛はどんな理由があっても千夜千冊を書き止めることはしない。書くからこそ、説明できないものを発見することができる。世阿弥は父から受け継いだ能の奥義を子孫に伝えるために『風姿花伝』を書いた。では花伝所は何を書き伝えるのか。今期、総力をあげてエディスト記事を書くことが、目標に掲げられた。しかしいざ書くとなると、何をどう書けばいいのか悩ましい。そこで、すでにエディスト記者として活躍している林によって、練習会が開催された。
指導陣が集まったのは4月11日木曜日の21時。記者未経験の師範に混ざり、所長・田中晶子や、10本以上の記事を書き、今期錬成師範から花伝師範に着替えた森本康裕の姿もあった。文章を書く際に忘れてはいけないのが、「いじりみよ」だ。多くの記事でも、この型が意識されている。「いじりみよ」にそったQが、林から次々と投げられた。
「1分間で気になる物1つ選べ」
「1分間でその物がどんな様子か描写せよ」
「1分間でその物にどんな由来があるか説明せよ」
「1分間でその物が自分にとってどんな存在か書け」
「1分間でその物とこの先どんな関係があるか予想せよ」
指導陣は投じられるQに、Zoomチャットを使い、黙々と回答していく。そしてチャットにあげた回答をもとに10分で記事に仕立て、評価を交わしあう。静かで熱いラリーを終えたのは23時を過ぎていた。
photo by shinobu hirano
▲注意のカーソルが当たった物には、エディティング・モデルが潜む。花伝師範から花目付に着替えた平野しのぶは韓国で衝動買いした壺に目をとめた。持ち帰る際、空港で手こずったというが、困難を物ともせず軽やかに飛びまわる平野の姿がみえる。
photo by kyoko arakaki
▲51[破]師範代から錬成師範に着替えた新垣香子の相棒であるコピー機。新垣が携わっている塾の子供たちにも自由に開放している。新垣の受容のカマエがここにも感じられる。
夜稽古翌日の4月12日、再びの夜。多くの花伝所指導陣が「『情報の歴史21』を読む」第12弾に参加していた。講演した能楽師の安田登氏は、「もっと、語るコトバが必要だ」と唱えた。そしてただ話すだけではなく、本楼を能舞台に変え、「コトバ」を実演した。「コトバ」を体感した指導陣は、花伝所に託されたものをどう伝え語るか、態度で示すだろう。
文 中村裕美(錬成師範)
アイキャッチ 宮坂由香(錬成師範)
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「まなび」のゆくえ◆53[守]伝習座
イシス編集学校 [花伝]チーム
編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。
「乱世こそ花伝所」。松岡正剛校長の言葉を引用し、花目付の林朝恵が熱く口火をきる。44[花]の問答条々、式目の編集工学講義は花伝所をけん引するツインターボ、林・平野の両花目付のクロストーク形式で行われた。2025年10月2 […]
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【書評】『アナーキスト人類学のための断章』×4× REVIEWS 花伝所 Special
松岡正剛いわく《読書はコラボレーション》。読書は著者との対話でもあり、読み手同士で読みを重ねあってもいい。これを具現化する新しい書評スタイル――1冊の本を数名で分割し、それぞれで読み解くシリーズです。今回は、9月に行われ […]
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コメント
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2025-11-27
マンガに限った話ではないが、「バカ」をめでる文化というものがある。
猪突猛進型の「バカ」が暴走するマンガといえば、この作品。市川マサ「バカビリーバー」。とにかく、あまりにもバカすぎて爽快。
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2025-11-25
道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。