自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
「師範代を育てられるようになりたい」「人生が大きく変わった破だった」「目標は全員突破」。[破]師範代たちは後半戦に向けて気持ちを新たにしていく。
2019年11月23日、43[破]2回目の伝習座が本楼で行われた。メインは師範による用法解説。物語編集術は急遽欠席せざるを得なくなった小路千広師範に代わり、相部礼子番匠が解説担当を直前で引き受けた。
プランニング編集術を任された渡辺高志師範は、『茶室をつくった。―佐川美術館 樂吉左衛門館 5年間の日々を綴った建築日記』(樂吉左衛門著、淡交社)をもとに佐川美術館樂吉左衞門館の設計プロセスをプランニング編集術で読み解く。芒の海という抽象イメージから、水庭の底にある茶室という具体を作り上げる。抽象と具体を行き来しながら著者が思考し続けた5年間の方法を渡辺は丁寧に取り出していく。
十五代樂吉左衛門氏は昨年のハイパーコーポレートユニバーシティでゲスト講師として本楼に招かれた陶芸家である。
番匠の卒意、師範の用意、そして師範代の決意。
それぞれの意が交わされた伝習座の様子をショートムービーでお届けする。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
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こまつ座「戦後”命”の三部作」の第一弾「父と暮せば」(井上ひさし作/鵜山仁演出)が現在公演中です。時空を超えて言葉を交わし合う父と娘の物語。こまつ座がライフワークとして大切な人をなくしたすべての […]
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。